SAS Japan

活用事例からデータ分析のテクニックまで、SAS Japanが解き明かすアナリティクスの全て
Internet of Things
小林 泉 0
SASラボ通信: SAS製品がモーターと会話する?

今回は、仕事納めの時期で少し自分たちの時間が確保できたので、かねてよりTO-DOになっていた、弊社のSAS Event Stream Processing(以下SAS ESP)という製品を用いた「予防保全ソリューション」のためのリアリティのあるデモ環境構築をした様子をご報告します。 このデモは、リアルな電動モーターを使用して、その際の各部位の振動や温度をリアルタイムに計測しSASのリアルタイム処理エンジンで取得・表示・加工・スコアリングするというデモで、インテル様のご協力を得てリアルな機器をつなぎ合わせ、そこにSAS ESPをインストールしていきました。   SAS六本木ヒルズ・ラボ 今回は、モーターが音を出すということと、部品やらなにやら散らかす必要があったため、SAS六本木オフィスのカスタマーエリアに常設されているラボスペース(仮称:SAS六本木ヒルズ・ラボ)を使用して行いました。このラボスペースは、その名の通り様々な実験的な取り組みのためのスペースです。お客様とのブレインストーミングや、学生が課外研究としてやってきて弊社エンジニアと一緒に研究をしたり、あるいは、企業のデータサイエンティストが、弊社の新製品を試しにやってきたりしています。過去ののブログに登場する筑波大学の学生たちも、SASグローバルのコンテストに応募するための分析作業や英語でのポスター作成をこちらの環境に詰めて作業されていました。 ラボを活用した筑波大学学生の話① ラボを活用した筑波大学学生の話② ラボを活用した筑波大学学生の話③   デモキットを組み上げる 今回のデモ環境のアーキテクチャはこちらです。 ますは、組み立てです。 電動モーター。本物ですので回転数を上げると少しうるさいです。 そのモーターに3箇所振動をセンシングするセンサーをつけます。こららはUSB経由でIoTゲートウェイにやってきます。 また、モーターを制御する設定値、モーターの温度の値は別経路でイーサネット経由やCOMポート経由でIoTゲートウェイにやってきます。 オフィスで動かすので直流を交流に変換する必要があったり、普段見ることのないコネクタの形状に戸惑ったりしながら、工作感覚で組み立てました。 IoTゲートウェイにはインテル・プロセッサが搭載されており、Ubuntuの上にSAS ESPをインストールしました。 今回は、弊社のSAS ESP製品の専門家のOさんと一緒に作業したため、思いのほか早く完成しました。こちらは、SAS ESPがハンドリングしているリアルタイムデータをSAS ESP付属のビューワーで簡易的に確認している画面です。3箇所に設置した振動センサーからのリアルタイムデータハンドリングしている様子を示しています。 今回は、仕事納めのためここで時間切れです。年明けには、SAS ESPの真髄であるオンライン学習の処理を設定したり、弊社のSAS Visual Data Mining & Machine Learingで作成したモデルをこのストリーミング処理エンジンにデプロイするなどして、「エッジ・アナリティクス」デモを完成させ、セミナーやイベント会場などで皆様にご覧いただけるようにしていく予定です。   SASのリアルタイム・アナリティクス SASのリアルタイム・アナリティクスソリューションである、SAS ESPについては、2017年5月に開催されたSAS Forum Japanのスーパーデモを録画した下記二つの動画もご参照ください。

Students & Educators
日米の「STEM教育」はどれだけ違う?

みなさんは「STEM」という言葉をご存知でしょうか。 これは、Science, Technology, Engineering, Mathematics の頭文字を合わせた言葉で、いわゆる「理系」から医学・薬学を除いたものをイメージすれば分かりやすいでしょう。 近年、ビッグデータ、データサイエンス、人工知能という言葉がバズ・ワード化していますが、それらを扱う人材の確保のために、「STEM人材育成」「STEM教育」の重要性が叫ばれています。日本は、米国に比べてこれらのデータ活用分野の遅れがあると言われていますが、STEM教育についてはどうでしょうか。 平成28年の日本の学生数の分布を見ると、工学16%、理学3%の19%の学生がいわゆる「STEM学部」に在籍していると言えます。一方、全米教育統計センターのデータを見ると、2014-2015年の学部の学位数は、8.5%がNatural science and mathematics (理学に相当)、9.2%がComputer science and engineering (工学に相当) となっています。全学生に対するSTEM教育を受ける学生の割合としては、日本と米国であまり差は無いようですが、工学と理学の割合が大きく異なり、日本は圧倒的に工学のほうが多くなっています。これは、日本が「ものづくりの国」である(あった!?)ことに由来するかも知れません。 閑話。 意外かもしれませんが、STEMには「心理学」も含まれています。「心理テスト」や「カウンセリング」のイメージが強い心理学ですが、実は、これらは心理学の一部分で、特に「実験心理学」と呼ばれる領域では、人間(場合によっては動物)の心理・行動について実験によりデータを集め、統計学を駆使して解析を行います。データサイエンティストをお探しの人事担当者さま、心理学専攻の学生は狙い目かも!? 閑話休題。 データを見る限り、日本でSTEM教育を受ける学生の割合は、米国と比較して圧倒的に少ないわけではないようです。OECDにおける学習到達度調査でも、義務教育修了段階の科学リテラシーや数学的リテラシーは、日本は国際的に上位グループに属しています。それでは、ビジネスにおけるデータ活用分野で、STEM人材活用が遅れているとされる理由は何でしょうか。 もしかしたら、それは大学の質にあるのかもしれません。米国ノースカロライナ州立大学の Master of Science in Analytics (MSA) では、アナリティクスの即戦力となる人材育成を進めています。まず注目していただきたいのは、就職に関するレポートをはっきりとデータで示していることです。特に、この修士号を取ることの投資対効果(ROI)を算出し、「21ヶ月で元が取れる」「3年のROIは$127,500」と、このプログラムに参加することの意味を、就職先を見据えて提示しています(上記レポートp.10)。逆に言えば、MSAに入学する学生は、アナリティクスの世界で活躍することを最初から目指しており、学習のモチベーションは非常に高いと想像できます。 もちろん、就職先で発揮できるスキルを養成することだけが大学の役割ではありません。しかしながら、多くの学生がアカデミックな研究の道ではなくビジネスの世界に進む以上、このような大学も一定数存在してもよいように思います。 また、この修士コースで特筆すべきは、Practicum という実践的プロジェクトがカリキュラムに含まれていることです。このプログラムでは、2017年現在、110以上のスポンサーが156ものプロジェクトを提案しています。スポンサーは実際の企業における具体的な課題をデータとともに提供し、学生は4-5名のチームとなってこの課題に8ヶ月かけて取り組み、最終的なレポートをスポンサーの前でプレゼンテーションします。このような実践的なプロジェクトを通して、学生はデータ分析のスキルと課題解決の方法を学びます。 日本においても、筑波大学ではこのような実践的な産学連携講義の取り組みを開始しており、SAS Japanでも昨年より分析環境の提供による教育支援をしています。データサイエンティストの育成を目指す大学教職員の皆様、実践的データ活用の講義を始めてみませんか? SAS Japan がサポートいたします。

Artificial Intelligence | Machine Learning
SAS Viyaを「無償」で「実データ」で「体感」してみよう!

2017年12月にSAS Viyaの最新版3.3がリリースされました。 これに伴い、皆様には、大幅に拡張されたSAS Viyaの機能を存分に体感いただくために今版から、皆様がお持ちの「実データ」でSAS Viyaベースのすべての製品を自由に触っていただけるようになりました。 ぜひ、ご利用ください! 利用手順に関しては、以下のブログをご覧ください。 SAS Viyaを体感してみよう! ~SAS Viya無償試用版利用ガイド~

Machine Learning | Programming Tips
SAS Viyaにディープラーニングが登場! さっそく画像分類してみた。

SAS Viyaがリニューアルされまして、ついにディープラーニングが登場しました! SAS ViyaのディープラーニングではオーソドックスなDeep Neural Network(DNN)から、画像認識で使われるConvolutional Neural Network(CNN、畳込みニューラルネットワーク)、連続値や自然言語処理で使われるRecurrent Neural Network(RNN、再帰的ニューラルネットワーク)まで利用可能になります。 ディープラーニングを使うことのメリットは、従来の機械学習やニューラルネットワークが苦手としている画像や文章を認識し、高い精度で分類や推論することが可能になります。 高い精度というのは、ディープラーニングのモデルによっては人間の目よりも正確に画像を分類することができるということです。 例えばコモンドールという犬種がありますが、この犬はモップのような毛並みをしていて、人間ではモップと見間違えることがあります。 これは犬? それともモップ? こういう人間だと見分けにくい画像に対しても、ディープラーニングであれば、人間よりも正確に犬かモップかを見分けることができるようになります。 というわけで、今回はSAS Viyaのディープラーニングを使って画像分類をしてみたいと思います。 ディープラーニングの仕組み 画像分類のディープラーニングではCNNを使います。 CNNは画像の特徴を探し出す特徴抽出層と特徴から画像を分類する判定層で構成されています。   特徴抽出層は主に畳込み層とプーリング層で構成されています。 畳込み層で入力画像に対し、ピクセルの特徴(横線の有無とか斜め線とか)を探し出し、プーリング層で重要なピクセルを残す、という役割分担です。 判定層は、特徴抽出層が見つけた特徴をもとに、画像の種類を分類します。 例えば犬と猫の分類であれば、特徴抽出層が入力画像から、面長で大きな鼻の特徴を見つけだし、犬と分類します。   または、丸っこい顔立ちと立った耳の特徴を見つけだし、猫と分類します。   SAS Viyaで画像を扱う SAS ViyaディープラーニングでCifar10をネタに画像分類をしてみたいと思います。 Cifar10は無償で公開されている画像分類のデータセットで、10種類の色付き画像60,000枚で構成されています。 各画像サイズは32×32で、色はRGBです。 10種類というのは飛行機(airplane)、自動車(automobile)、鳥(bird)、猫(cat)、鹿(deer)、犬(dog)、蛙(frog)、馬(horse)、船(ship)、トラック(truck)で、それぞれ6,000枚ずつ用意されています。 画像は総数60,000枚のうち、50,000枚がトレーニング用、10,000枚がテスト用です。   画像データは以下から入手することができます。 https://www.cs.toronto.edu/~kriz/cifar.html さて、Cifar10を使って画像分類をしてみます。言語はPython3を使います。 SAS Viyaで画像分類をする場合、まずは入手したデータをCASにアップロードする必要があります。 CASはCloud Analytics Servicesの略称で、インメモリの分散分析基盤であり、SAS Viyaの脳みそにあたる部分です。 SAS Viyaの分析は、ディープラーニング含めてすべてCASで処理されます。 CASではImage型のデータを扱うことができます。 Image型とは読んで字のごとくで、画像を画像フォーマットそのままのバイナリで扱えるということです。

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