SAS Japan
活用事例からデータ分析のテクニックまで、SAS Japanが解き明かすアナリティクスの全て
2017/5/23にSAS Forum Japan 2017が開催されます。まだ参加後登録がお済でない方は下記からご登録ください。 SAS Forum Japanご登録サイトへ 今回は、その中でもセッション以外のところも今年はすごいので、ご紹介します。 すごいところ①:スーパーデモ20連発 今回のブログのタイトルにもありますが、今年はグローバルのイベントである、SAS Global Forumを模して、「スーパーデモ」なるものを実施します。これは約15分のデモセッションを次から次へと繰り返し行うものです。通常のセッションの数が限られているため、そこでご紹介しきれないSASソリューションや、セッションの補足的な説明など計20ものデモセッションが行われます。是非、時間の都合をうまくやりくりして頂いて、通常セッション、スーパーデモを渡り歩いて頂けると幸いです。 *括弧は、(何回目/全回数)の意味です。 *プログラムは変更される可能性がありますので、最新のプログラムと詳細はこちらからご確認ください。 12:15 - 12:30:さよならBI 〜 一歩先ゆくデータ分析の決定版 SAS Visual Analytics まるごとデモ!(1/4) 12:30 - 12:45:為替リスクヘッジの新しい取り組み(1/2) 12:45 - 13:00:コーディングなしでSASを使ってみよう!(1/3) 13:00 - 13:15:さよならBI 〜 一歩先ゆくデータ分析の決定版 SAS Visual Analytics まるごとデモ!(2/4) 13:15 - 13:30::SAS言語派集まれ!SAS StudioからSAS Viyaを使ってみよう! 13:30 - 13:45:需要管理(需要予測〜在庫最適化)のNext Generation 13:45 - 14:00:コーディングなしでSASを使ってみよう!(2/3) 14:00 -
昨年2016年のSAS Global Forumでも講演して好評だったEmma Warrillowという方が今年も講演されたので紹介します。まずは復習として、彼女が昨年披露した良いデータサイエンティストになるための5つの秘訣を見てみましょう。 ビジネスを理解しなさい:アナリティクスの目的はビジネス課題を解決することである ストーリーを語りなさい:単に分かったことを共有するのではなく、分析結果に基いてビジネスをどうすべきかを議論しなさい 視覚的にストーリーを語りなさい:グラフや図を使用して、より理解を深めることを心がけること よい質問を繰り返しなさい:よりたくさん質問することで、より理解が深まる 新しい技術についていくこと:よりよい表現方法を常に模索すること (2016 SAS Global Forum でのEmma Warrillowの講演より。proceedingはこちら) 「それで?あなたはどう思うの?」と返したくなるデータ分析や仕事の報告、「顧客の理解を深めるための労(繰り返しの問い)を惜しむ」ケースは、ビジネスシーンでよく見受けられますが、あなたの会社ではいかがでしょうか?15年前、あるお客様から、「顧客の顔が見えないのでデータマイニングでなんとかしたい」という相談を受けたのを今でも覚えています。データ自身は何も語ってくれません。事実に基いてストーリーを考え、適切な問いを繰り返すことで初めて洞察(自分たちの顧客に対する理解)が得られるのです。 『問いかけること』 が、とても大事です。 さて、この彼女が今年もプレゼンをし、少しリバイスした秘訣を披露してくれました。レベル感はあまりそろってませんが、どれも、忘れがちなことなので、今一度自分自身の気を引き締めるために取り上げることにしました。 ①スプレッドシートを送付するだけという行為はNG 受け取った人は、無視するか、イライラするか、誤って解釈するだけです。概要、どのように見るべきか、結論は?相手にどうして欲しいのかを伝えることが必要不可欠です。 ②POETを意識すること StorylyticsのLaura Warren より Purpose(目的): このチャートの目的は… Observation(あなたの着眼点): 見て欲しいのは... Explanation(説明): 何を意味しているかというと… Take-away or Transition(要点): 次のステップは… ③アナリティクス・チームのブランディング 多くの企業・組織におけるアナリティクスチームは、PRの問題を抱えています。アナリティクスが真に有効で、またアナリストがちゃんとビジネスを理解していると認知されることが、とても重要です。 ④御用聞きにならないこと 自分がある専門領域のエキスパートであることを自覚し、適切な問い、適切な提案をすることが大事です。 ⑤正しく伝えること ストーリーテリングで人を動かすために、Peter GruberのThe Four Truths of the Storytellerを参考にすると良い。 Truth to the
例年、SAS Global Forumでは2日目の朝は、最新のSASテクノロジーを紹介する『Technology Connection』というセッションで始まりますが、今年は、そのセッションが少し変わった形式になりました。最新のテクノロジーを紹介するだけでなく、その開発を支える社員にフォーカスをあて、どのようにそのテクノロジーが開発されたのかを紹介しながら進められました。 各プレゼンターごとに流された紹介ビデオの中で、今年のTechnology Connectionのメインテーマである、『生涯学習』について語られました。Chief Technology Officerのオリバー・シャーベンバーガーは、もともとCTOになるつもりはありませんでした。実際、彼は林業で博士号を取得しています。しかし統計学への熱意が彼を大学の世界からソフトウェア開発の世界に導き、ハイパフォーマンス・コンピューティング、アナリティクス・プラットフォーム、人工知能そして他の先進技術に携わることになりました。『私は毎日が勉強です。皆さんもそうだと思います。SASも常に革新を続けて新しい製品を生み出し続けています』と彼は、機械が我々の生活を豊かにする象徴としてセグウェイに乗りながら、聴衆に語りかけました。 次世代のテクノロジー - SAS Graphics Accelerator プレゼンターの一人、エド・サマーズは、10歳で網膜色素の異常と診断され徐々に視力を失いました。彼は現在法的盲であり、チャートやグラフを14年間見たことがありません(でも、「ビジョン」を持っています)。彼は、SAS Graphics Accelerator を使用して、データビジュアライゼーションとアナリティクスを視覚障害者にも利用可能にした非常に重要な彼の仕事をデモンストレーションしました。このテクノロジーは、SASのアナリティクス・ビジュアライゼーションを話し言葉と音に変換します。結果は、データを音で表現することで、視覚障害者がデータの様子を『見る』ことができるようになっています。聴衆みんなで目を閉じて、確かにデータが上昇トレンドにあることを確認しました。単にデータの値を読み上げるだけでなく、グラフの右肩上がり具合を音階で表現されることで、まさに『耳で見る』ことができるようになりました。『私たちは皆、それぞれ自分なりの世の中への貢献の仕方があります。データビジュアライゼーションを誰にでも利用可能にすることが、私の役目です』とサマーズは締めくくりました。筆者はこの数日後、SAS本社のCaryの彼の勤務するオフィスのカフェテリアでばったり出会い、しばし歓談しました。やはり、このプレゼンはとても緊張したらしいです。 SASは従来より、このような『ユーザー補助機能』をソフトウェア機能として提供してきています。グラフ上の数字の読み上げ機能なども数年前から実装されています。現在どのような製品でどのような対応がされているかはこちら「Accessibility at SAS」にまとまっているのでご参照ください。今後は、コグニティブ技術+アナリティクスという領域でさらなる進化をしていくことが考えられています。 「エッジ・アナリティクス」 - SAS Event Stream Processing R&Dのシニアディレクターである、ジェリーは、Event Stream ProcessingとInternet of Things の担当であり、彼の車のナンバープレートを、「ESP&IOT」にしてしまうくらい(ビデオにも写っています)彼にとって、ESPは彼の一部であり、ライフワークです。彼は壇上で、自動車業界においてESPがどのように中央のサーバー上や、エッジアナリティクスといわれるデータの発生源で、イベントストリームデータを分析するかをデモンストレーションしました。彼は、コネクテッド・カーに関するユースケースを取り上げ、実際に道路温度が0度以下になったポイントで警告を表示することができることを示しました。彼曰く、『ストリーミングアナリティクスは単に効率を上げるだけではなく、世の中をより安全な場所に変えることができるのです』 Enterprise GuideでDATA Stepデバッガーを使用することで、生産性を向上する ケイシー・スミスはEnterprise Guideの新機能である、DATA Stepデバッガーについて紹介しました。スミスの母親は30年以上もノースカロライナ州立大学でSASを教える教授であり、スミスは幼い頃母親からSASを教わっています。プログラムのバグを修正することはとても時間のかかることであり、またイライラする作業でもあります。そのデバッグ作業をとても簡単にできることを彼はデモンストレーションで披露しました。この機能を開発した理由を彼は次のように述べています。『現実の顧客は、現実の課題を解決している。我々はそれをサポートしたい。』 データ分析においてなによりも大事なのは探索やモデリングのためのデータ準備のフェーズです。特に昨今、正規化された基幹システムからのデータだけではなく、様々な非定型のデータを効率的に正確に結合・整形する必要性が高まっています。そのようなデータに対して(異なる目的のために考案された)SQL一辺倒の利用では非常に非効率です。様々なプログラミング言語を経験した筆者の意見としては、そのようなデータ準備には専用に考案されたSASのData Stepの利用は最も優れた選択の一つだと感じています。それでも細かなデータ加工には複雑なIF条件文のネストなどにおける困難さはつきものです。そのようなデータ加工をステップ・バイ・ステップでデバッグできる、このData Stepデバッガーはとても便利ですので、是非、試してみてください。 FCAAバスケットボールのデータを使用しFactorization Machineで試合結果を予測する ジョージ・シルバは、統計家かつソフトウェア開発者であり、彼は機械学習に携わる自分の仕事を(顧客が価値を出すまでは)まるで赤ちゃんのようだと表現しています。シルバのプレゼンはアマゾン社のインテリジェントなパーソナルアシスタントである、Alexaで行われました。シルバが用意したデモを使用して、CTOのシャーベンバーガーが音声で命令をAlexaに出し、NCAAバスケットボールのデータを探索する様子を披露しました。シルバは試合結果を予測するのにファクタライゼーションモデルという機械学習手法を使用しました。ファクタライゼーション・マシンについては、SGF2017のこちらのセッションが参考になると思います。「Factorization Machines: A New Tool for Sparse Data」
今年のSAS Global Forum は、USのフロリダ州オーランドで開催されました。 例年同様日曜日スタート 従来と異なるのは、パートナー様向けの、SAS Partner Forum 2017 がSGFと同時開催されたことです。日本から参加されたSASジャパンのパートナー企業様は、前日夜のレセプションから始まり、イベント週間の先頭をきって、日曜日朝8:30からのSAS Executiveも登壇するセッションに参加いただき、みっちり午後までのスケジュールを、忙しくこなして頂きました。その様子は、こちらのSAS Partner Blogよりビデオでご覧いただけます。お忙しい中を時間を割いて日本からご参加いただくパートナー企業様が年々、増加しており、今年もセッション他、有意義なコミュニケーションの時間を過ごさせていただきました。誠にありがとうございます。多種多様なスキル・経験をお持ちのパートナー企業皆様に囲まれ、今後のSASビジネスに非常に心強さを感じました。 明日のリーダーを育成する さて、SAS Global Forum、通称SGFは、初日の夜のOpening Sessionからスタートなのですが、その前に、前述のパートナー様向けのイベントだけでなく、毎年最も重要なイベントの一つであるAcademic Summitが行われます。これは、SASが重要視することの一つである、人材育成・教育への投資、そしてその結果、社会へ優秀なデータサイエンティストを生み出すための活動であるAcademic Programの年次の総会のようなものです。教育関係者だけではなく企業関係者も参加することで、実務で役立つ教育の促進と人材の確保というエコシステムを形成しています。これを特徴付ける数字としては、このイベントのスポンサーを見てもわかります。 通常のパートナー企業様のスポンサーが29社 アカデミックのスポンサーは、16教育機関。 この数から見ても、本イベントを大学などの教育機関が重要視していて、教育と企業との連携が盛んであることが伺えると思います。 SAS Global Forumそのものが、教育機関と民間企業の接点の場であり、学生の発表や表彰、そして参加大学の企業へのアピールの場にもなっています。さて、Academic Summitのアジェンダを見てみましょう。 ネットワーキング SAS担当エグゼクティブの挨拶 スカラシップ受賞者の紹介 Student Ambassador Program受賞者の紹介 Student Symposiumファイナリストの発表 ゲスト講演 Student Symposium(SGF2017で実施されるコンペティション)の優勝チームである、Kennesaw State University の "The Three Amigos"は、「銀行の定期預金契約者の決定要因をロジスティック回帰と決定木で分析」したものでした。その他Student Symposiumの発表は以下のようなものがありました。 Dataninjas: Modeling Life Insurance Risk (Kennesaw State University)