SAS Japan

活用事例からデータ分析のテクニックまで、SAS Japanが解き明かすアナリティクスの全て
Advanced Analytics | Analytics | Artificial Intelligence | Machine Learning
SAS Viya:Python API向けパッケージ:DLPyの最新版1.0拡張機能概要紹介

SASでは、従来からオープン・AIプラットフォームであるSAS Viyaの機能をPythonから効率的に活用いただくためのハイレベルなPython向けAPIパッケージであるDLPyを提供してきました。 従来のDLPyは、Viya3.3以降のディープラーニング(CNN)と画像処理(image action set)のために作成された、Python API向けハイレベルパッケージです。 DLPyではKerasに似たAPIを提供し、より簡潔なコーディングで高度な画像処理やCNNモデリングが可能でした。 そして、この度、このDLPyが大幅に機能拡張されました。 最新版DLPy1.0では、以下の機能が拡張されています。 ■ 従来からの画像データに加え、テキスト、オーディオ、そして時系列データを解析可能 ■ 新たなAPIの提供: ・ RNN に基づくタスク: テキスト分類、テキスト生成、そして 系列ラベリング(sequence labeling) ・ 一般物体検出(Object Detection) ・ 時系列処理とモデリング ・ オーディオファイルの処理と音声認識モデル生成 ■ 事前定義ネットワーク(DenseNet, DarkNet, Inception, and Yolo)の追加 ■ データビジュアライゼーションとメタデータハンドリングの拡張 今回はこれらの拡張機能の中から「一般物体検出(Object Detection)」機能を覗いてみましょう。 SAS Viyaでは従来から画像分類(資料画像1.の左から2番目:Classification)は可能でした。例えば、画像に映っている物体が「猫」なのか「犬」なのかを認識・分類するものです。 これに加えて、DLPy1.0では、一般物体検出(資料画像1.の左から3番目:Object Detection)が可能になりました。 資料画像1. (引用:Fei-Fei Li & Justin Johnson & Serena Yeung’s Lecture

Data Management
クラウド上のSAS Viyaから、オンプレミス上にあるデータへ、セキュアにアクセス

近年、クラウドファーストを唱える企業が増加し、データ分析のために、クラウド上に展開されている分析サービスを活用したり、クラウド上に独自に分析アプリケーションを構築するケースも増えています。 しかし、クラウド上にある分析サービスやアプリケーションで分析する対象のデータは、オンプレミス上に蓄積されているケースが大半であり、クラウドからこれらのデータにアクセスできるようにするための作業や環境設定は面倒かつ非効率で、膨大なデータをクラウドとやり取りするなどの運用コストも大きく、かつセキュリティのリスク回避も考慮しなければなりません。 こうした課題を解決するために、SAS ViyaではSAS Cloud Data Exchange (CDE)を提供しています。 SAS Cloud Data Exchange (CDE) は、プライベート/パプリックのクラウド上にあるアプリケーション(=SAS Viya)からファイヤーウォールの後ろにある、顧客のオンプレミス上にあるデータに安全かつ確実にアクセスし、大量のデータをクラウドへ高速に転送することを可能とするデータ接続機能です。 CDEは、SAS Viyaのセルフサービス・データ準備向け製品であるSAS Data Preparationに含まれる機能です。 CDEを使用すれば、クラウド上にあるSAS Viyaからオンプレミス上にある様々なデータソース(Oracle, Teradata, Hadoop etc.)へ最小限の手順で容易かつセキュアにアクセスすることが可能になります。 サポート対象データソース: ・DB2, ODBC, Apache Hive, Oracle, Redshift, SQL Server, Postgres, SAP HANA, Teradata, SAS Data Sets CDEでは、最小限の一つのポート(Https port)を使用し、オンプレミス上にあるデータソースにアクセスするための資格情報(ユーザーID /パスワード)も保護された領域に格納し、使用するため、安全性が高められています。 また、クラウド上のSAS Viyaが複数のワーカーノードで分散構成されている場合には、オンプレミス上のデータを並列で高速にSAS Viya環境へロードすることが可能です。 利用手順概要は以下の通りです。 オンプレミス側にSAS Data Agent

Analytics
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和歌山県データ利活用コンペティション参考資料(8) 都道府県を行政基盤でグループ分けする (クラスタリング )

前回の記事では、SAS Visual Analytics を用いて時系列データを扱う手法をご説明しました。第7回目となる本記事では、データをグループ分けするクラスタリングについてご紹介します。 クラスタリングとは、多様な特徴を持つデータ群の中から、似通った性質を持つサンプルを抽出しグループ化する機械学習手法です。例えば、顧客をクラスタリングし、各クラスターの特徴(年齢・嗜好等)に合わせた適切なDMを送る、などの活用例があります。本記事では、行政基盤の性質に基づき都道府県をクラスタリングします。本ブログのシリーズの第3回・第5回にて同じデータを異なる手法で分析しておりますので、併せてご参照ください。 本記事では、総務省の「社会・人口統計体系 都道府県データ 社会生活統計指標 :D 行政基盤」のデータを使用しました。   SAS Visual Analytics 8.3 におけるクラスタリング分析 from SAS Institute Japan   本例で作成したクラスターの数は5つですが、オプションから数の変更ができます。特徴量のビンの数も同様に変更可能です。 さて、今回使用した5つの変数は第3回・第5回の記事の分析で、人口増減率に影響を及ぼすとされた要素でした。スライド内クラスター2のラインをご覧ください。財政力指数は低いものの、土木費割合が高いという特徴を共有するクラスターであると読み取れます。これは、第5回の記事のディシジョンツリーを用いた分析によると、財政力が弱いにも関わらず人口増減率が高い自治体の持つ特徴でした。したがってクラスター2内の要素の人口増減率が高い傾向にあることが予想されます。また最も要素数の多いクラスター5についてですが、どのビンにおいても概ね中程度の値を取っており、平均的なクラスターであるとみなせます。このようにクラスタリングによってデータを分類し、各クラスターの特徴に着目することで、データをより分析しやすくすることが可能です。   ここで、SAS Visual Analytics におけるクラスタリングに使われている手法、k-means法の仕組みついてご紹介します。ここではn個のデータをk個のクラスターに分類するとします。 1) n個のデータのうち最初のk個をクラスターの核とし、各データを一番近い核のクラスターに属するように分割します。 2) 各クラスターの重心を求めます。 3) 各データを、それぞれが一番近い重心のクラスターに属するように再分割します。 4) 再分割されたクラスターの重心を求め、(3)の操作をクラスターに変化がなくなるまで行います。 このように、最終的に変動がなくなったクラスターに基づきクラスタリングが行われています。 以上、クラスタリングの手法についてご説明しました。引き続き本ブログのシリーズでは、SAS Visual Analytics を用いた図表・グラフの作成や統計解析の方法について紹介いたします。ぜひご参照ください。 高校生・大学生を対象とした第2回和歌山県データ利活用コンペティションへの参加も募集中ですので、奮ってご参加ください。(追記:募集は締め切られました)  

Analytics
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和歌山県データ利活用コンペティション参考資料(7) 待機児童の有無は何によって決まるか (ロジスティック回帰)

第3回のブログでは、SAS Visual Analytics の活用例として統計解析のひとつである線形回帰を紹介しました。その続きのブログとなる今回は、ロジスティック回帰について説明します。 回帰分析は変数どうしの関係を分析することができます。そのなかでも以前紹介した線形回帰はシンプルでよく利用されますが、すべての場合において最も適当な分析手法であるとは限りません。たとえば、目的変数が離散的な場合(例:喫煙の有無、就業状態、移住の意思)には、ロジスティック回帰のほうが当てはまりのよい結果を得ることができます。本記事では、ロジスティック回帰を用いて待機児童の有無に影響を与える変数の分析を紹介します。 このスライドでは、厚生労働省が公開している保育所等関連状況取りまとめ(平成30年4月1日)から申込者の状況についてのデータと、総務省が公開している平成28年度地方公共団体の主要財政指標一覧から全市町村の主要財政指標を利用しました。データのインポートについてスライド内でも説明していますが、インポートの際の注意点など詳細に関してはこちらのブログを参考にしてください。 SAS Visual Analytics 8.3 におけるロジスティック回帰の利用 from SAS Institute Japan ロジスティック回帰オブジェクトでは、自動的に最適なモデルが選択されます。オブジェクトを最大化し、詳細を表示すると使用したモデルを確認することができます。 スライド内の分析では、ロジットモデルを使用していました。 また、詳細からは当てはめの統計量、パラメータ推計値などの情報を確認することができます。 今回の分析結果の解釈として、待機児童の有無に影響を与えている要因は「財政力指数」「経常収支比率」「ラスパイレス指数」「実質公債費比率」でした。それぞれの変数についてパラメータ(効果量)推定値をみると、「財政力指数」が最も大きい正の値(2.49)となっており、「財政状況のよい市区町村ほど待機児童が発生しやすい」といえます。対して「申込者数」の推定値は(5%有意であるものの)0.000094と非常に小さく、申込者数の多寡が待機児童の有無に与える影響は小さいと言えます。ここから、自治体規模の大小と待機児童の有無は関係していないと推測できます。 そのほかのパラメータをみても、財政状況がよいほど待機児童がいることが分かりますが、ここから単純に「待機児童を減らすためには、財政状況を悪化させればよい」ということにはなりません。たとえば、待機児童が多い自治体では共働きが多く、結果として住民税収が増加し財政状況がよくなるなど、さまざまなストーリーを想定することができます。回帰分析から因果関係を主張するときには注意が必要です。 この分析では、財政指標を利用しましたが、他にも女性の就業率、出生率、世帯構成などのデータを利用するとより効果的な分析ができるでしょう。データセット内に2値の変数がない場合でも、スライド内の例のように自分で基準を決めることで新しい変数を作成することができます。これによって分析の幅が広がりますが、レポートには必ず変数の定義を記述してください。 引き続き本ブログのシリーズでは、図表・グラフの作成や統計解析の方法について紹介いたします。 第2回和歌山県データ利活用コンペティションへの参加も募集中ですので、高校生・大学生のご参加をお待ちしています。(追記:募集は締め切られました)

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