今回は「オペレーショナル・アナリティクス for Data Scientist」をメインテーマとしてご紹介します。企業で分析業務を行うデータサイエンティストの皆様はご存知の通り、モデルは開発しただけでは意味がありません。そのモデルを業務に実装(デプロイ)してはじめて、ビジネス課題を解決し、価値を創出することができるわけです。SASが長年蓄積してきたナレッジをご覧ください。
1.Using SAS® Viya® to Implement Custom SAS® Analytics in Python: A Cybersecurity Example
この論文は、SASの分析機能により支えられているプロダクションレベルのアナリティクスソリューションを開発しようとしているデータサイエンティストを対象としています。本文では、SAS ViyaとCloud Analytics Service(CAS)に基づく、CASの構築基盤とサイバーセキュリティを説明します。そして、SASアナリティクスを本番環境でPythonで実装する方法を説明します。
2.What’s New in FCMP for SAS 9.4 and SAS Viya
この論文では、下記いくつかポイントをメインとして議論していきます。まず、SASが提供しているFunctionコンパイラー(FCMP)の新しい特徴を紹介し、それから主にFCMPアクションセットを中心とし、リアルタイムアナリティクススコアリングコンテナ(ASTORE)とPythonのインテグレーションについても説明します。それらの説明により、SASの新しいテクノロジーに対し、更なる理解を頂けることを期待しています。
3.Influencer Marketing Analytics using SAS® Viya®
この論文はSAS Viyaを使って、マーケティングアナリティクスを行う事例を紹介します。近来、マーケティングはますますインフルエンサーが大きな役割をしめるようになってきています。それらのインフルエンサーたちはソーシャルメディアのコンテンツ作成者であり、多くのフォロワーを持ち、人々の意見に影響を与え、購入を検討する人々にも影響を与えています。インフルエンサーマーケティングは、より伝統的なマーケティングチャンネルと同じようにコストがかかるため、企業にとって最も効果的なインフルエンサーを選択することは非常に重要です。
こういった背景において、この論文では、ソーシャルメディアで本当に影響力をもつ人、そしてその影響程度はなにかについて分析することを目指しています。ケーススタディは、感情面の影響を与えることに焦点を当てています。また、多くのフォロワーを持つインフルエンサーとその色んな投稿とアクティビティを分析します。実施するには、Pythonのライブラリとコードが使用されます。次に、彼らのアクティビティとネットワークを分析して、それらの影響範囲を分析します。これらの分析には、SAS Viyaのテキストおよびネットワーク分析機能が使用されます。データ収集ステップ(Python)はクライアントとしてJupyter Notebookを使用していますが、分析ステップは主にSAS Visual Text Analytics(Model Studio)とSAS Visual Analyticsを使用して行われています。
4.Take REST into Account: Account Level Profit with SAS® Viya APIs
ご存知の通り、ビジネスのボトムラインに影響する要因は多数あり、それらはお客様の利益や損失に直接つながることとなります。勘定科目レベルで財務業績マトリックスを把握することは、企業の業績を最適化するための最も重要なステップとなります。SAS Viya REST APIsがカスタマイズされたウェブアプリケーションからCASへアクセスする最適な手段を提供しています。この論文では、SAS ViyaのREST APIを使用して勘定科目レベルの利益を操作し、分析し、およびレポートする機能について説明します。
5.Unleashing SAS® Visual Data Mining and Machine Learning Models
この論文では、SAS Visual Data Mining and Machine Learning(通称VDMML)の使い方を説明します。ここで、簡単にまとめますと、まず、VDMMLを使用していくつかのモデルを作成し、そのうちの1つをチャンピオンモデルとして選択します。 それらのモデルはすべて、Hadoop、Teradata、Cloud Analytics Service(CAS)、Micro Analytic Service(MAS)などのさまざまな場所に公開できます。 さらにSAS Embedded Processを使用して、パブリッシュされたモデルを使用してデータがある場所でスコアリングを行うことができます。作られたモデルをSAS Model Managerに登録して他のモデルと比較し、チャンピオンモデルを選択することまでできます。仮に、モデルが最適ではない場合、再学習させることも可能です。それ以外に、VDMMLに登録されているモデルを使ってSASのEvent Stream Processing(通称ESP)で使用したストリーミングデータをスコアリングすることも実現されています。また、RESTful APIsも使用可能となっているため、様々な場面に対応できると存じます。
6.Adding Data to Real-Time Decision-Making with SAS® Decision Manager on SAS® Viya®
SAS Decision Managerはリアルタイム設定で分析することができます。このようなデプロイメントにより、アナリティクスを使うことで、ビジネスプロセスの効率を向上し、最適化させることも可能でしょう。もちろん、分析的な意思決定プロセスを最大限に活用するには、ユーザが自分のデータにアクセスする必要があります。SAS Decision Managerはその機能を提供し、リアルタイムのフロー内でデータベースクエリを可能にさせます。本文、その機能について、詳細に説明します。簡単に概要を説明しますと、まずSAS Environment Manager内でデータベースに接続し、SAS Decision Manager内のデータベースを照会するカスタマDS2コードを作成します。それを、後続処理のために意思決定フローのデータストリームに追加される流れとなります。
7.Understanding, Tracking, and Visualizing Decisions with SAS® Viya®
SAS Viya上のDecision Managerは意思決定の機能だけを提供しているわけではなく、その意思決定プロセスがどのように行われたのかのバックグラウンド情報も機能として提供されています。また、マクロはDecision Manager5.2バージョン以降使用することもでき、それにより、SAS Studioユーザは、どのように意思決定プロセスとどのようなルールで実行されたかについての情報を処理することができます。そのため、企業もそのプロセスを更なる修正することができ、より正確な結果を得ることができます。この論文では、それらのマクロとSASのCASを使用して、企業組織の意思決定プロセスを正確に理解、追跡、および可視化する方法について説明ます。
8.Data Quality Programming Techniques with SAS® Cloud Analytic Services
SAS Cloud Analytic Services(CAS)はインメモリかつパラレルに、ビッグデータに関する高度かつ強力な分析機能を提供しています。しかし、データの質が良くない場合は、分析レポートやモデルはどうなるでしょうか?分散処理とインメモリ技術を使用してビッグデータの品質をどのように改善できるでしょうか?CASは、ビッグデータを分析するための多数のアクションを提供するだけではなく、ユーザインターフェースの観点からもプログラミングの観点からも、ビッグデータのデータ準備と品質管理機能を提供しています。この論文では、それらの質問に対して、インメモリビッグデータに対し、一般的なデータ準備タスクを並行して実行するために使用できるプログラミング手法について説明します。
次回は、同様に「オペレーショナル・アナリティクス」をテーマとしていますが、「for IT」に関するユースケース・論文を紹介していきます。
近年、多くの企業様がクラウドサービスを活用し、インフラアーキテクチャを構築したり、オンプレからクラウドへの移行も増加しています。その中で、「分析基盤」はどうなるのでしょうか。ぜひ最後までお付き合いいただければ幸いです。