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小林 泉
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Senior Manager, Analytics Platform and Cloud Solution, Customer Advisory Division

1999年SAS Institute Japan入社後、金融・通信・製造・小売・官公庁を中心に顧客分析やサプライチェーン最適化などのアナリティクス・プロジェクトにて、データウェアハウスやアナリティクス・プラットフォームの設計/構築からアナリティクスのコンサルティングを担当。その後、プリセールスとしてSASアナリティクス・ソリューションの提案、顧客のデータ・マネージメント課題解決への従事、最新技術を利用したビッグデータ活用やSAS on Hadoopビジネスの立ち上げ、普及活動に従事。 データのリアルタイム分析と、大規模分析基盤アーキテクチャ、機械学習についての豊富な知見、経験を持つ。 2016よりSAS Viyaの立ち上げを担当し、OSSの世界へ新しい価値を提供するビジネスを推進。2020年からSAS Cloudソリューションの推進を担当。最近の興味は、「現実世界のデジタライゼーションの限界と展望」。

Analytics
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SAS Global Forum ユーザーおよびSAS社員による最新のSAS活用ノウハウ

SASの提供する機能、製品、コーディング上の利用の仕方、便利なSASマクロ等々は非常に幅広く、日々お客様と接している我々であっても全ての情報を持つことはできません。そのため、我々はWWのSAS利用ナレッジをこのSAS Global Forumにおける発表論文に頼ることが頻繁にあり、社内のナレッジシェアリングで参照することもしばしばです。f 今年4月に開催されたSAS Global Forum 2018の発表資料/論文を検索 2017以前の発表資料/論文を検索 なんと1976年からあります! 是非、ご活用いただければと思います。

Internet of Things
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SASラボ通信: SAS製品がモーターと会話する?

今回は、仕事納めの時期で少し自分たちの時間が確保できたので、かねてよりTO-DOになっていた、弊社のSAS Event Stream Processing(以下SAS ESP)という製品を用いた「予防保全ソリューション」のためのリアリティのあるデモ環境構築をした様子をご報告します。 このデモは、リアルな電動モーターを使用して、その際の各部位の振動や温度をリアルタイムに計測しSASのリアルタイム処理エンジンで取得・表示・加工・スコアリングするというデモで、インテル様のご協力を得てリアルな機器をつなぎ合わせ、そこにSAS ESPをインストールしていきました。   SAS六本木ヒルズ・ラボ 今回は、モーターが音を出すということと、部品やらなにやら散らかす必要があったため、SAS六本木オフィスのカスタマーエリアに常設されているラボスペース(仮称:SAS六本木ヒルズ・ラボ)を使用して行いました。このラボスペースは、その名の通り様々な実験的な取り組みのためのスペースです。お客様とのブレインストーミングや、学生が課外研究としてやってきて弊社エンジニアと一緒に研究をしたり、あるいは、企業のデータサイエンティストが、弊社の新製品を試しにやってきたりしています。過去ののブログに登場する筑波大学の学生たちも、SASグローバルのコンテストに応募するための分析作業や英語でのポスター作成をこちらの環境に詰めて作業されていました。 ラボを活用した筑波大学学生の話① ラボを活用した筑波大学学生の話② ラボを活用した筑波大学学生の話③   デモキットを組み上げる 今回のデモ環境のアーキテクチャはこちらです。 ますは、組み立てです。 電動モーター。本物ですので回転数を上げると少しうるさいです。 そのモーターに3箇所振動をセンシングするセンサーをつけます。こららはUSB経由でIoTゲートウェイにやってきます。 また、モーターを制御する設定値、モーターの温度の値は別経路でイーサネット経由やCOMポート経由でIoTゲートウェイにやってきます。 オフィスで動かすので直流を交流に変換する必要があったり、普段見ることのないコネクタの形状に戸惑ったりしながら、工作感覚で組み立てました。 IoTゲートウェイにはインテル・プロセッサが搭載されており、Ubuntuの上にSAS ESPをインストールしました。 今回は、弊社のSAS ESP製品の専門家のOさんと一緒に作業したため、思いのほか早く完成しました。こちらは、SAS ESPがハンドリングしているリアルタイムデータをSAS ESP付属のビューワーで簡易的に確認している画面です。3箇所に設置した振動センサーからのリアルタイムデータハンドリングしている様子を示しています。 今回は、仕事納めのためここで時間切れです。年明けには、SAS ESPの真髄であるオンライン学習の処理を設定したり、弊社のSAS Visual Data Mining & Machine Learingで作成したモデルをこのストリーミング処理エンジンにデプロイするなどして、「エッジ・アナリティクス」デモを完成させ、セミナーやイベント会場などで皆様にご覧いただけるようにしていく予定です。   SASのリアルタイム・アナリティクス SASのリアルタイム・アナリティクスソリューションである、SAS ESPについては、2017年5月に開催されたSAS Forum Japanのスーパーデモを録画した下記二つの動画もご参照ください。

Artificial Intelligence | Machine Learning
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人工知能:ブームと現実を切り分けて認識するために

現在大きなブームとなっているAIですが、行き過ぎた期待と警戒がその現実を見誤らせ、企業における経営課題の解決において、タイムリーな価値創出を停滞させている場面も見受けられます。現実を正しく捉えるための記事を、SASの上級副社長およびCTOであるオリバー・シャーベンバーガー(Oliver Schabenberger)が書いていますので、今回はそれを日本語訳してお届けします。 === 私たちはエキサイティングな時代に生きています。私たち人間と機械、オブジェクト(物体)、モノとの関係は急速に変化しつつあります。 洞窟で暮らしていた頃から、人間は受動的な(自動的に動くわけではない)道具と自分の声に自らの意思を託してきました。今日では、マウスとキーボードは操作したとおりに動きますし、Amazon Echoなどのスマートデバイスは、照明の点灯のような単純なタスクや、より複雑なタスク(例:人間の質問にアナリティクスを用いて応答する)の実行を手助けしてくれます。 しかし、人工知能(AI)の発展により、潮目が変わる可能性があります。機械は受動的なオブジェクトから、人間の生活に自らを織り込む能動的な存在へと変貌を遂げることができるのでしょうか? 機械が人間を動かすようになるのでしょうか、それとも人間が機械を動かし続けるのでしょうか? オブジェクトが「あなたの代わりに〇〇を済ませました」と人間に報告するようになるのでしょうか、それとも、人間が今後も何をすべきかをオブジェクトに指示し続けるのでしょうか? あらゆるモノがよりスマート、よりインテリジェントになっていく中、私たち人間は、自律型のインテリジェンスが取り仕切る生活空間の「囚われ人」となってしまう恐れはないのでしょうか? そのような状況に私たちはどこまで近づいているのでしょうか? AIの現状 あなたがもし、機械が世界を征服するのではないかと夜な夜な心配しているとしたら、どうぞぐっすり眠ってください。今現在使われているテクノロジーでは、決してそうした事態は起こりません。昨今では、少しでも賢い動作や想定外の動作をすれば何でもAIと呼ぶのがトレンドのようですが、多くは実際にはAIではありません。私の電卓は、私よりも計算能力が優れていますが、AIではありません。決定木もAIではありませんし、SQLクエリの条件句もAIではありません。 しかし、AIへと向かうトレンド、すなわち「機械、デバイス、アプライアンス、自動車、ソフトウェアに更なるスマート性を組み込む」というトレンドが存在するのは事実です。 人間よりも圧倒的な正確さでタスクを実行できるアルゴリズムの開発には、驚異的な進展が見られます。少し前までコンピューターには囲碁は無理と思われていたにもかかわらず、今や機械が人間を打ち負かし、人間には敵わないレベルへと突き進んでいます。また医療分野では、医用画像から特定タイプのガンを発見するアルゴリズムの正確性が、放射線科医と同等レベルに達しており、まさに患者の人生を一変させるような成果です。 これらのアルゴリズムが超人的な能力を示すのは、与えられた仕事を高い信頼性および正確性で、不眠不休で反復実行するからです。とはいえ、人間のように思考または行動できる機械を生み出す段階からは程遠いのが現状です。 現在のAIシステムは、人間が行うタスクを「コンピューター化された賢い方法」で実行するようにトレーニングされますが、トレーニングの対象は1つのタスクのみです。囲碁をプレイできるシステムは、ソリティアやポーカーをプレイすることができず、そのスキルを習得することもありません。自律走行車を運転するソフトウェアは、家の照明を操作することができません。 これは、この種のAIが力不足ということではありません。むしろ、あらゆる用途に高い専門性を提供できるため、多くの業種、恐らく全ての業種に変革をもたらすポテンシャルを秘めていると言えます。しかし、AIで何を成し遂げることができるかに関しては、先走りは禁物です。トレーニング用データにもとづき、教師あり手法を用いてトップダウン方式で学習するシステムは、データの内容を超えて成長することができません。つまり、こうしたシステムには創造、革新、推論(論理的に思考)は不可能です。 「信頼の飛躍的拡大」を選ぶかどうかは人間次第 たとえアルゴリズムがインテリジェンスを持つ日が来るとしても、必ずしも私たちの人生をアルゴリズムに委ねる必要はありません。アルゴリズムの利用を意思決定支援システムに留める、という選択も可能です。その対極にあるのは、あらゆる意思決定を人間の代わりにアルゴリズムに行わせるという選択であり、これは「(人間の機械に対する)信頼の飛躍的拡大」の究極と言えます。 そこには、意思決定において人間の介入は一切ありません。機械の自律性を手放しで受け入れて初めて、「真のAI」を受け入れる準備が整ったことを意味すると筆者は考えます。しかし、アルゴリズムが信頼できる偏りのない意思決定を行えるようになり、それがひいては人間に最大の利益をもたらすことが実証されうるとして、自分の人生の手綱を渡し、自分は何も入力せずにアルゴリズムに意思決定を行わせることを、あなたは心地よく感じるでしょうか? 自由に判断させた場合、機械はどれほど的確に振る舞うと期待しますか? 機械がどれほど短時間で仕事を学習すれば満足でしょうか? そして、学習を重ねる中、機械はいつモラルを獲得するのでしょうか? こうした質問を不快に感じるとしても、ご安心ください。あなただけではありません。筆者は、ソフトウェア・エンジニアがプログラミングしたモラルや発展途上のアルゴリズムが学習したモラルの不完全さのせいで命を失うよりは、自分自身の愚かさのせいで命を失う方を選びます。 インテリジェンスという幻想は今現在、完全に人間の掌中にあり、当面は人間のコントロールなしでは存在しえません。 当面私たちがAIに望めるのは、つい感心してしまうほどの賢さです。その他はブームに便乗した大騒ぎに過ぎないでしょう。 将来への準備 現在のような形のAIにはインテリジェンスがあるのでしょうか? そうではないと筆者は考えます。 インテリジェンスと呼ぶためには、何らかの形の創造性、革新性、直感力、自主的な課題解決力、感受性が必要です。私たちが今現在、ディープ・ラーニングにもとづいて構築しているシステムは、こうした特性を備えることができません。AIがいつインテリジェンスを獲得するのか、その時期をここで予測するつもりはありません。数十年前には「その段階に近づいており、数十年後には機械が人間のように行動したり思考したりするようになる」と考えられていましたが、そうはなっていません。今日のテクノロジーでは、依然としてこの問題を解決できないのです。 人類が「真のAI」の時代に到達するためには、破壊的なテクノロジー・シフトを経なければなりません。人類はその解決策をまだ発見していないと考えます。ただし、その探究を続けていることは確かです。

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