新型コロナウイルスの感染拡大を追跡するためにデータ・ビジュアライゼーション(視覚化)を利用する

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この記事はSAS Institute Japanが翻訳および編集したもので、もともとはMark Lambrechtによって執筆されました。元記事はこちらです(英語)。

世界的な公衆衛生問題が拡散する際、初期段階では多くの不明事項が存在するものですが、新型コロナウイルスのように急速な感染拡大の場合は特にその度合が高まります。データ・ビジュアライゼーションは、傾向を理解したり、複数のデータポイントから意味のあるストーリーを組み立てたりするための優れたスタート地点となりえます。ウイルスの拡散状況を視覚化できる機能は、問題意識の喚起、そのインパクトの理解、そして究極的には予防努力の支援に役立つ可能性があります。

2019年12月31日、世界保健機関(WHO)の中国オフィスは、中国湖北省の武漢市で検知された原因不明の肺炎の感染ケースについて報告を受けました。最初の報告以降、この新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は世界的な感染拡大を見せており、感染者は30ヶ国以上の数万人に及び、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」と呼ばれる急性呼吸器疾病を引き起こしています。

この状況を受け、SASは新型コロナウイルスの現況、場所、拡散状況、トレンド分析を描き出すインタラクティブなレポートを作成しました。

新型コロナウイルス・ダッシュボードを探索する(英語)

元になるデータは日次で更新されており、感染拡大の進行状況を定期的にチェックすることや、世界的な拡散状況を時間軸に沿ったアニメーションで確認することができます。この対話操作型レポートでは以下のことが行えます。

  • 過去10日以内に新たに確認された感染者の数を調べ、このウイルスの感染率、回復率、死亡率がどのように推移しているかを確認する。
  • このウイルスがどの地域に侵入したかを調べ、発生地の中国と世界の残りの地域とで状況を比較する。
  • 感染確認済みのケースを分析することで、回復率が時の経過に沿ってどのように変化しているかを理解する。

このレポートはSAS Visual Analyticsと、WHO、CDC、ECDC、NHC、およびDXYからのデータ(JHU CSSEによってコンパイルされたもの)を用いて作成されています[訳注:JHU CSSE=米国ジョンズ・ホプキンズ大学システム科学工学センター]。

SAS Visual Analyticsで作成した新型コロナウイルス・レポートの概要

「新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)」の感染拡大に関するサマリー情報を手早く確認したい場合は、こちらをご覧ください。

このサマリー情報は、世界各地の統計情報を用いて日次で更新されています。このWebページのこれ以降では、各種レポートからの重要な洞察をスクリーンショットでご紹介します。実際のレポートでは、最新のデータに基づき、ご自身で対話操作しながら統計情報や分析結果を閲覧することができます。

地域別の詳細情報を確認したい場合や、対話操作型レポート全体を探索したい場合は、サマリー情報ページの右上隅にある「Full Report」ボタンをクリックすると、完全なダッシュボードを起動できます。

最初に表示されるダッシュボード・ビュー([Status]タブ)では、日次で更新されるデータに基づき、COVID-19の感染拡大の概況を簡単に確認できます。具体的には、新たに確認された感染者数、回復者数、死亡者数などを地域別にフィルタリングして閲覧することができます。

図1: COVID-19の感染拡大の概況。新たに確認された感染者数、回復者数、死亡者数などを地域別にフィルタリングして閲覧することができます。

時系列棒グラフ(下の図2)では、新たに確認された感染者数と回復者数および死亡者数を報告期間別に比較することができます。積み重ね棒グラフ(下の図3)は、過去10日間で確認された新規感染者が多い国のトップ5を示します(なお、実際のレポートでは、各ビジュアル要素の表示を最大化して詳細を見ることができます)。

図2: 新たに確認された感染者数と回復者数および死亡者数を報告期間別に比較できます。

図3: 過去10日間で確認された新規感染者が多い国のトップ5を見ることができます。

レポートの[Locations]タブ(下の図4)では、 全世界および特定国の新型コロナウイルス関連データを確認できます。
図4:[Locations]タブでは、全世界および特定国の新型コロナウイルス関連データを確認できます。

特定国のデータを見るには、左上のフィールドに国名を入力します(下の図5)。
図5: 国名を入力すると、その国の詳細情報だけに集中することができます。

新型コロナウイルスの最初の感染者が中国で報告されてから既に何週間も経過しており、感染拡大は世界各地へと広がっています。私たちは、Esri社のGISマッピング・ソフトウェアから取得した地理空間データのレイヤーを追加することで、対話操作型の画面を用いて、中国とその他の国々にまたがる形で新型コロナウイルスの拡散状況を探索できるようにしました。

Spread]タブでは、SAS Visual Analyticsの時系列アニメーション機能(下の図6)を用いて、ウイルスが世界全体に拡散していく様子を見ることができます。アニメーションを再生すると、中国国内での拡散状況や、世界全体の拡散状況および深刻度を確認できます。

図6: 時系列アニメーションで、ウイルスが世界全体に拡散していく様子を見ることができます。

Trend Analysis]タブでは、様々なビジュアライゼーションを切り替えながら、COVID-19の感染拡大に関連したその他のデータの傾向を見ることができます(下の図7と図8)。

図7: 日次の回復者数/死亡者数のトレンド分析

図8: 新たに確認された感染者数のトレンド分析

今後の展望

マップや時系列アニメーションを利用した新たな方法で提示されているこれらの情報は、氷山の一角にすぎません。現在、世界中の公衆衛生当局やライフサイエンス企業が、COVID-19の感染拡大を封じ込めるべく、また、この疾病と闘う抗ウイルス薬を開発するべく、それぞれの作業を続けています。そうした中、関連法規や個人情報保護法の尊重が大前提となりますが、「臨床患者記録、ソーシャルメディア・ストリーム、公衆衛生記録といった関連データポイントの多様な組み合わせに対し、アナリティクスやAIなどのデータドリブンな(データ駆動型の)技法を適用する取り組み」も、他の取り組みと同様、このウイルスに対する監視アプローチの改良に貢献できる可能性があります。

今求められているのは、データサイエンス・プロジェクトの更なる発展と、医療およびライフサイエンス業界におけるコラボレーションです。コードベースのアプローチにご関心のある方は、グラフのエキスパートであるロバート・アリソン(Robert Allison)が紹介するヒント(英語記事)をぜひチェックしてみてください。

関連情報 | コロナウイルス・ダッシュボード関連のブログ記事の一覧(英語)

関連データや感染拡大状況が常に変化している以上、私たちのアナリティクスやレポートも、世界の公衆衛生・医療コミュニティにとって更に有意義なものとなるよう進化させていく予定です。最後に、皆様のご健康をお祈りいたします。もし、SAS Visual AnalyticsやSASのその他のアリティクス・テクノロジーが今回の新型コロナウイルス感染症の解明に役立つ可能性のある方法(あるいは既に役立っている方法)について情報をお持ちでしたら、ご教示いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

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