SASのオンライン学習コース「Skill Builder for Students」の紹介(3)Visual Analytics and Visual Statistics編

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前回の記事では、学生であれば無料で利用可能なオンライン学習コース「Skill Builder for Students」のProgrammingコースについての概要を紹介しました。今回は引き続きまして、Visual Analytics and Visual Statisticsコースについて紹介していきます。

データアナリティクスへの興味・関心は近年急激に増加しています。ただ特に学習を始めた学生では、データアナリティクスと聞くと、どうしても複雑なモデルを組むことや機械学習を実施することだけに意識が向いている印象を受けます。しかしデータアナリティクスの本質はそこではありません。根幹にあるのは意思決定や業績の改善にどれほど貢献できるかです。データの可視化、見える化は学生ですとしばしば軽視されがちな部分ではありますが、意思決定や現状の把握においては非常に有用な有用な方法の一つです。

今回紹介するコースではSAS Viyaプラットフォーム上でSAS Visual AnalyticsSAS Visual Statisticsを使用し、様々な可視化方法、予測モデルについて学習を行います。これらを学習することによってデータに潜む傾向やパターンを把握し、そしていかにその後のリスク管理や傾向の予測などへとつなげていくかといった実践的なデータアナリティクスを学ぶことが可能です。またSAS ViyaはSASによるプログラミング以外にもRやPythonといった他のプログラミング言語をサポートしているため、SASのコーディングができない方であっても不自由なく利用することが可能となっています。

Visual Analytics and Visual Statisticsコースへのアクセスは以下の手順です。

  1. Skill Builder for Studentsへログイン
  2. 「Learn SAS」というタブをクリック
  3. 画面中央の「Start Learning」をクリック
  4. 「Visual Analytics and Visual Statistics」をクリック
  5. 展開される各種e-learningコースをクリック
  6. 画面下部にある「enroll」をクリック

 

 

Visual Analytics and Visual Statisticsコースの概要

本コースは

  1. SAS Visual Analytics 1 for SAS Viya: Basics
  2. SAS Visual Analytics 2 for SAS Viya: Advanced
  3. SAS Visual Statistics in SAS Viya: Interactive Model Building

の3つのコースで構成されています。それぞれのコースはいくつかのLessonで構成されており、各コース内のLessonを終了すると下図のようなSAS digital Learn Badgeが発行されます。

学習にあたってはSAS Viya For Learnersを使用します。このSAS Viya For Learnersには各コースをEnroll後に表示される画面右の「Launch」をクリックすることでアクセスが可能です(下図赤枠)。なおその際に使用できるブラウザはChrome、Firefox、Safariのいずれかです。

 

 

Visual Analytics and Visual Statisticsコースで学習できる内容

  • SAS Visual Analytics 1 for SAS Viya: Basics
    • SAS Visual Analyticsを使用し、データの前処理、分析、レポートの作成などを学習します。Visual Analyticsではアナリティクスを下図のような5つの段階に分け、各ステップに関連した内容ごとに基本的なLessonが用意されています。

    • コース内ではオリオン・スター社という小売業者を題材にしており、会社が持つデータから顧客の注文傾向の分析、およびマーケティングを行うべき顧客グループの特定を具体例として行っていきます。またこれ以外にも様々な例が提供されており、例えばとしては、「多くの社員の中から昇進させるべきなのは一体誰か?」といったこともその一つです。
  • SAS Visual Analytics 2 for SAS Viya: Advanced
    • 分析の目的ごと(ジオマップ、予測、テキスト分析など)に必要となるデータの形状についてまず初めに学習を行います。その後それらの分析について取り扱います。また分析だけでなく、現実の分析で必要となるレポート、集計作業について表示形式の変更といった比較的高度なレベルまで学習します。
    • 先のコースでは「マーケティング企業での勤務」ということが具体例の一環したテーマでしたが、本コースでは「絶滅危惧種の動物、および国立公園」に関して非常に多くの可視化、分析のシナリオが考えられています。単に可視化の方法を学ぶだけでなく、具体例を通じて現在の絶滅危惧種に関しての情報も得ることができるため、個人的にはそちらについても興味が惹かれる内容でした。
  • SAS Visual Statistics in SAS Viya: Interactive Model Building
    • 探索的に予測モデルを学習するコースです。基本的な回帰(ロジスティック含む)や、決定木などのモデリングについて概要の解説とそれらの手法間の比較が行われています。
    • 具体的な事例に沿って進んでいくという先の2つのコースとは異なり、各手法ごとに必要となるポイントを説明していく内容になっています。個人的には各Lessonにある手法のまとめノートのようなものが非常に便利だと感じました。

 

学生の皆さんはちょうど期末試験が終わり、冬休みに入ったころかと思います。ぜひこの機会にこれらのコースを利用してみてはいかがでしょうか?

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Academic Staff

公共ソリューショングループ / 東京医科大学大学院医学研究科 生物統計学(Biostatistics)と統計的因果推論(Causal Inference)を専攻しています。お気軽にご連絡ください。

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