前回の投稿 【冬休みに勉強しよう】アナリティクスの学習(1) Skill Builder for Students では、学生向けのリソース・ハブである Skill Builder for Students に登録し、e-Learningでの学習についてご紹介しました。取り上げた学習コースでは、SAS Visual Analytics をツールとして用いていましたが、このソフトウェアは SAS Viya と呼ばれるアナリティクス・プラットフォームで提供されます。
SAS Viya は次のような特徴を持っています。
- アナリティクスによる課題解決に必要な「データの管理と準備」「分析による発見とモデル構築」「分析結果の実装」を一つのプラットフォームで提供
- 機械学習、ディープラーニング、テキスト解析、画像解析、予測、最適化などAI機能を網羅
- グラフィカルな操作、SAS言語、Python、Rなどによるプログラミング、REST APIによる機能提供を実装し、アナリティクスへのアクセスをオープンにする
これらの特徴は、企業や組織でアナリティクスを用いて価値を発揮するために必要なものでありますが、学生がデータ分析を学ぶ場面では必ずしも重要なものではないかもしれません。しかし、GUIやSAS言語、オープンソース言語など、それぞれの学生が得意とするスキル、今後のキャリアに役立つ技術を磨くプラットフォームとしては有用です。SAS Viya は商用またはアカデミア向けのライセンス提供がありますが、教育目的には無償の SAS Viya for Learners がSaaS形式で提供されています。
SAS Viya for Learners は、SAS Skill Builder for Students と同様に、大学ドメインのメールアドレスを登録したSASプロファイルをお持ちであれば、無料で登録・利用することができます。クラウドでの提供ですので、ソフトウェアをインストールする必要はなく、Webブラウザからアクセスするだけで利用できます。GUI操作での可視化(SAS Visual Analytics)や、機械学習モデル作成ツール(SAS Model Studio)、SASプログラミングについては、SAS Skill Builder for Students で提供される e-Learning で学習を進められます。ここでは、PythonやR言語でのプログラミング・インターフェイスの使用についてご紹介します。
ログイン後、Viya for Learners を起動すると、デフォルトでは、次のように SAS Drive の画面が表示されます。
少し見づらいですが、下部中央に Jupyter Lab の起動ボタンがあります。Jupyter Lab は、対話型プログラミング環境 Jupyter Notebook を利用するための開発環境で、下の画面のように、サーバにあるファイルへのアクセスやnotebookの作成が行えます。
SAS Viya for Learners の Jupyter Notebook は、Python、R言語およびSAS言語が動作しますので、好みのプログラミング言語でアナリティクスの学習が進められます。
また、左パネルの「Courses」フォルダには、Skill Builder for Students でも提供されているトレーニング・コースで用いる学習用データが多数用意されています。データの詳細については、各コースを受講すると説明がありますが、例えばGUI操作向けのコースで提供されているデータを、自分の好きなプログラミング言語で利用することも可能です。
学習・教育用プラットフォーム SAS Viya for Learners を是非ご活用ください。