統計ソフトを大学等の授業で用いる際に問題となるのが、統一的な環境を用意することの難しさです。受講者全員が同じバージョンのソフトウェアを同じ設定で利用し、同じ場所にあるデータにアクセスするような環境を準備しないと、個々の環境の差異から発生する問題に対処するだけで授業時間が終わってしまうでしょう。
また、統計ソフトを利用した演習講義では、プログラミングが必要になる場面が多いと思います。しかし、少ない授業時間を割いてプログラミングに慣れていない学生にコーディングを教えることは、本来その講義で教えるべき内容を削ってしまいかねません。
ご存知の方も多いと思いますが、SASでは、教育・研究および個人学習目的の利用に限り、無償ソフトウェアを提供しています。ダウンロードしてローカルPCの仮想マシンにセットアップするタイプの SAS University Edition と、クラウド上のアプリとして実行するタイプの SAS OnDemand for Academics がありますが、後者を使うと、上述した統計ソフトを利用した講義における統一環境の準備の問題およびプログラミングの問題を解決することができます。
SAS OnDemand for Academics (以下、SODAと略します) の特徴は以下のとおりです。
- クラウド上で実施するソフトウェアなので、インターネット接続さえあれば、PC環境を統一させる必要がありません。
- 教員はWebページ上で「Course」を作成することができ、学生がその「Course」に登録することで、教員が用意したデータに学生の環境からアクセスすることができます。
- ポイント&クリックで操作できるインターフェイスにより、プログラミングせずに統計やデータマイニングの機能を利用することができます。
SODAの利用手順:
- まずはSODAに登録します。登録の方法は、SlideShareの資料を参考にしてください。(※Analytics Uのページがなければ、SODAのページにアクセスし、上記のスライド4から開始してください。)
- 教員の方は「Course」を作成してください。こちらのページのInstructorsセクションのドキュメントおよびビデオ「Upload Your Course Data」「Invite Students to Your Course」を参考にしてください。
- 学生は教員から「Course」に参加するためのリンクを取得し、こちらのページのStudentsセクションを参考にCourseに参加してください。
SODAを利用すれば、無料で環境構築・プログラミング教育のためのコスト・リソースを削減し、統計スキルの教育・学習に集中できます。Let’s teach & learn data science!