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SAS Events | Students & Educators
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SAS Global Forum 2019 レポート (2日目)

一日目に引き続き、SAS Global Forum 2019 の様子をお伝えします。二日目となる今日は主にStudent Symposium の様子についてレポートします。Student Symposiumはデータ分析スキルを競う学生用のコンペティションで、予選を勝ち抜いた八チームが各々の分析についてのプレゼンテーションを行いました(各チームの発表概要はこちら)。ここでは、特に印象に残った2チームの発表についてご紹介します。 起業を実現させる要因とは 1チーム目はオクラホマ州立大学のチームで、題名は”Exploring the Intensions of Entering Entrepreneurship for SAS® Global Forum 2019”です。起業が米国の資源の一つと言っても過言がないほど起業精神が浸透しているアメリカにおいて、起業を考える人は大勢いますが、全員が実際にビジネスを開始するわけではありません。起業の実現にどのような要素が影響するのかについて、データ分析により解き明かすことを目標とします。まず起業に関係する要素を「経済状況」「社会的要素(人脈など)」「人間性」「人類学的要素(ジェンダーなど)」の4つにカテゴライズし、起業に至った理由の中で最も大きな影響を与えたカテゴリを時系列に基づき分析しました。2008年ごろまでは経済状況が良かったこともあり、経済的必要性で起業する人は少数で、人脈などの社会的要素や人間性、中でも失敗を恐れない性格が起業を実現させる主な要因でした。しかし、2009年以降経済の悪化に伴い、自ら事業を立ち上げる必要性が出てきたことで経済状況に基づく起業が多数派となりました。その後経済が回復傾向になるにつれて再び経済状況の影響力は小さくなり、人類学的要素(ジェンダー)と人間性、特に功名心に基づく起業が増加しました。このように人々がビジネスを始めた理由を分析することで、今後の起業のトレンド予測や起業支援につなげるとのことでした。 バイアスのない公平な記事を書くために 2チーム目も同じくオクラホマ州立大学のチームで、題名は”Identifying Partisanship in Media Article”です。米国には強力な二大政党がありますが、それぞれの主張を対等に報道しているメディアは少なく、多かれ少なかれ偏りが生じています。偏りのある報道に晒され続けることで、盲目的にある党の主張が正しいものと信じ込んでしまい、深く考えずに投票してしまう事例も増えています。そこで、報道のバイアスを測るモデルを作成し、バイアスチェッカーとしての応用を考えることが本発表の目標です。初めに、二つの党の公式声明から、各々の政党の主張の特徴を学習させます。得られたモデルに各メディアの記事から抽出したキーワードのトピックを当てはめ、その記事を出したメディアがどちらの党派かを判別します。その結果、このモデルは90%以上の精度で記事からメディアの党派の判別が可能でした。このモデルを用いると、党派を感知されないような公平な記事を書くことができ、結果として偏りのない情報発信の助けになるとのことでした。 この二チーム以外の発表も面白いアイデアと確かなデータ分析手法に基づく非常に興味深いものであり、自分と同年代の学生がこれほどの研究・発表をしているのかと大いに刺激を受けました。彼らに負けないよう今後も精一杯頑張ろうと思います。       eポスター発表 本日は私もe-Poster Presenterとして分析結果の発表を行う機会を頂きました。”Forecasting CO2 Emissions of Electrical Generation By Using SAS® Software”と題し、発電において必要とされる各種条件を満たしながら、CO2排出量を最小にする電源構成の最適化モデルを構築し、2030年におけるCO2排出量をモデルごとに推定しました。様々な国からの参加者の皆様に発表をお聞きいただき、ディスカッションをしたりフィードバックを頂いたりと、非常に有意義な経験となりました。 詳しくは、6月11日に六本木のグランハイアット東京で開催されるSAS Japan 最大の年次イベントSAS Forum Japan 2019 内、"アナリティクスは営利目的だけじゃない!大学生が挑む Data

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SAS Global Forum 2019レポート (1日目)

世界で二番目に大きいと言われる空港を有し、美しい新緑が広がるここテキサス州ダラスにて、SASの一大年次イベント、「SAS Global Forum 2019」が4/28~5/1に開催されています。数々の魅力的なセッションが催されており、各地からの参加者で今年も大盛況です。私は、同年代の学生たちがどのような活動をしているのか、また、後述するData for Good活動を推進するにはどうすればよいかを学ぶため、アカデミックセッションを中心に参加しました。本記事では一日目(4/28)のAcademic Sessionについてレポートします。 学生向けセッション Student Sessionでは、世界各地から集まった学生の視野を広げること、将来の一つの指針を授けることを目的として様々なプレゼンテーションが行われました。 データサイエンティストによるパネルディスカッション 最初に、経験豊かなデータサイエンティストたちをプレゼンターに迎え、「データサイエンティストになるには何を学べばよいか」「どのような人材が必要とされているか」などについてパネルデスカッションが行われました。データサイエンティストという概念は近年になって急激に広まったものであり、教育制度が追い付いていないという現状があります。データ分析の知識に加え、金融やビジネスなど、多岐にわたる応用的な知識にも精通していることが要求されており、それらを包括的に学ぶ方法や・何を専攻するかについての疑問を抱く学生は多いでしょう。それに対してプレセンターの一人は、「まずは統計学やプログラミング手法等の核となるデータ分析スキルを身に着けるべき」とアドバイスしていました。応用的な知識は本や授業で学ぶだけでは不十分で、社会での実践を通して学ぶ必要があります。そこで、まずはどこへでも応用可能な基礎力を身に着けてから、実践として各々の分野の専門知識を身に着けるべきとのことです。「自分が心から面白いと思う分野」に出会い、高い意欲と向上心を持って取り組める人材が求まれており、その分野が定まっていないうちは、最初にデータ分析の勉強をすべきと語っていました。 参加していた学生の多くは大学や大学院にてアナリティクスを専攻しているようでしたが、中には経営学を学ぶ中で副専攻として統計学を勉強している学生もおり、Global Forumならではの多様性を感じました。 Data for GoodとGather IQ 続いて、SAS USAのI-Sah Hsieh氏からData for Goodについてのプレゼンテーションです。I-Sah氏はハリケーンや地震などの災害時に、支援活動に関する意思決定をより効果的に進めるためのデータ分析プロジェクトを行った経験があり、それぞれの事例に関して紹介しました。それを通して、彼は「学校で学んだ知識を高々一セメスターだけにとどめているのはもったいない、積極的にアウトプットすべき」と強調し、その方法の一つとして、社会問題を解決するためにデータ分析であるData for Goodを紹介しました。彼は現在、国連の掲げる持続可能な開発目標(SDGs)に対してデータを用いたアプローチに取り組んでいます。貧困をなくすため・教育機会を増やすため、データを使ってできることは何でしょうか?その学びの一環として、一新されたSASのData for Goodアプリ、Gather IQが紹介されました。SDGsの17つの目標それぞれに対応して、問題の把握やデータの活用に役立つ様々な解説記事や分析結果が公開されています。各問題に対応するゲームや募金の仕掛けなどもあり、より多くの人にData for Goodのすそ野を広げるような仕様になっています。ぜひ一度お試しください。 講演後、個人的にI-Sah氏と直接ディスカッションをしました。Data for Goodの意義を再確認し、活動の進め方やデータ分析についてアドバイスをいただき、大変有意義な時間となりました。本ブログでもたびたびご紹介しておりますが、JapanでもData for Good 活動を推進する学生コミュニティがあり(第1回勉強会レポート)、様々な社会課題に対して主体的に分析を進めています。また、データ分析手法を学ぶ勉強会も開催予定です。ご興味のある方はこちらまでご連絡ください。JPNAcademicTeam@sas.com Student Sessionの締めくくりとして、金融やヘルスケアに関するデータサイエンスの具体例が紹介されました。また、夜に行われたOpening Sessionにおいても機械学習やアナリティクスの実用例が紹介され、データサイエンスの無限の可能性を感じました。   大学教員向けセッション 続いて、SAS Global Forum大学教員向けアカデミックセッションについてのレポートです。本セッションでは、データのプライバシーと倫理について、講演とテーブルごとにディスカッションを行いました。 テーマ(1) データサイエンスの隆盛と倫理 データサイエンスの拡大とともに、扱うデータの量と種類が増加してきました。それにより、少数の人間が大きな害悪を発生させることができるようになり、また、データ発生元の同意や認知を得ることが難しくなっています。さらに、データの発生時、取得時、操作時にバイアスが含まれてしまう可能性も大きく、このような状況のもとで、大学教育について以下の点でディスカッションを行いました。 学部としての、または大学としての責任は何か? 倫理についての講義は必要か? 民間企業や官公庁とどのように協力すればよいか。

Artificial Intelligence | Machine Learning
小林 泉 0
人工知能:ブームと現実を切り分けて認識するために

現在大きなブームとなっているAIですが、行き過ぎた期待と警戒がその現実を見誤らせ、企業における経営課題の解決において、タイムリーな価値創出を停滞させている場面も見受けられます。現実を正しく捉えるための記事を、SASの上級副社長およびCTOであるオリバー・シャーベンバーガー(Oliver Schabenberger)が書いていますので、今回はそれを日本語訳してお届けします。 === 私たちはエキサイティングな時代に生きています。私たち人間と機械、オブジェクト(物体)、モノとの関係は急速に変化しつつあります。 洞窟で暮らしていた頃から、人間は受動的な(自動的に動くわけではない)道具と自分の声に自らの意思を託してきました。今日では、マウスとキーボードは操作したとおりに動きますし、Amazon Echoなどのスマートデバイスは、照明の点灯のような単純なタスクや、より複雑なタスク(例:人間の質問にアナリティクスを用いて応答する)の実行を手助けしてくれます。 しかし、人工知能(AI)の発展により、潮目が変わる可能性があります。機械は受動的なオブジェクトから、人間の生活に自らを織り込む能動的な存在へと変貌を遂げることができるのでしょうか? 機械が人間を動かすようになるのでしょうか、それとも人間が機械を動かし続けるのでしょうか? オブジェクトが「あなたの代わりに〇〇を済ませました」と人間に報告するようになるのでしょうか、それとも、人間が今後も何をすべきかをオブジェクトに指示し続けるのでしょうか? あらゆるモノがよりスマート、よりインテリジェントになっていく中、私たち人間は、自律型のインテリジェンスが取り仕切る生活空間の「囚われ人」となってしまう恐れはないのでしょうか? そのような状況に私たちはどこまで近づいているのでしょうか? AIの現状 あなたがもし、機械が世界を征服するのではないかと夜な夜な心配しているとしたら、どうぞぐっすり眠ってください。今現在使われているテクノロジーでは、決してそうした事態は起こりません。昨今では、少しでも賢い動作や想定外の動作をすれば何でもAIと呼ぶのがトレンドのようですが、多くは実際にはAIではありません。私の電卓は、私よりも計算能力が優れていますが、AIではありません。決定木もAIではありませんし、SQLクエリの条件句もAIではありません。 しかし、AIへと向かうトレンド、すなわち「機械、デバイス、アプライアンス、自動車、ソフトウェアに更なるスマート性を組み込む」というトレンドが存在するのは事実です。 人間よりも圧倒的な正確さでタスクを実行できるアルゴリズムの開発には、驚異的な進展が見られます。少し前までコンピューターには囲碁は無理と思われていたにもかかわらず、今や機械が人間を打ち負かし、人間には敵わないレベルへと突き進んでいます。また医療分野では、医用画像から特定タイプのガンを発見するアルゴリズムの正確性が、放射線科医と同等レベルに達しており、まさに患者の人生を一変させるような成果です。 これらのアルゴリズムが超人的な能力を示すのは、与えられた仕事を高い信頼性および正確性で、不眠不休で反復実行するからです。とはいえ、人間のように思考または行動できる機械を生み出す段階からは程遠いのが現状です。 現在のAIシステムは、人間が行うタスクを「コンピューター化された賢い方法」で実行するようにトレーニングされますが、トレーニングの対象は1つのタスクのみです。囲碁をプレイできるシステムは、ソリティアやポーカーをプレイすることができず、そのスキルを習得することもありません。自律走行車を運転するソフトウェアは、家の照明を操作することができません。 これは、この種のAIが力不足ということではありません。むしろ、あらゆる用途に高い専門性を提供できるため、多くの業種、恐らく全ての業種に変革をもたらすポテンシャルを秘めていると言えます。しかし、AIで何を成し遂げることができるかに関しては、先走りは禁物です。トレーニング用データにもとづき、教師あり手法を用いてトップダウン方式で学習するシステムは、データの内容を超えて成長することができません。つまり、こうしたシステムには創造、革新、推論(論理的に思考)は不可能です。 「信頼の飛躍的拡大」を選ぶかどうかは人間次第 たとえアルゴリズムがインテリジェンスを持つ日が来るとしても、必ずしも私たちの人生をアルゴリズムに委ねる必要はありません。アルゴリズムの利用を意思決定支援システムに留める、という選択も可能です。その対極にあるのは、あらゆる意思決定を人間の代わりにアルゴリズムに行わせるという選択であり、これは「(人間の機械に対する)信頼の飛躍的拡大」の究極と言えます。 そこには、意思決定において人間の介入は一切ありません。機械の自律性を手放しで受け入れて初めて、「真のAI」を受け入れる準備が整ったことを意味すると筆者は考えます。しかし、アルゴリズムが信頼できる偏りのない意思決定を行えるようになり、それがひいては人間に最大の利益をもたらすことが実証されうるとして、自分の人生の手綱を渡し、自分は何も入力せずにアルゴリズムに意思決定を行わせることを、あなたは心地よく感じるでしょうか? 自由に判断させた場合、機械はどれほど的確に振る舞うと期待しますか? 機械がどれほど短時間で仕事を学習すれば満足でしょうか? そして、学習を重ねる中、機械はいつモラルを獲得するのでしょうか? こうした質問を不快に感じるとしても、ご安心ください。あなただけではありません。筆者は、ソフトウェア・エンジニアがプログラミングしたモラルや発展途上のアルゴリズムが学習したモラルの不完全さのせいで命を失うよりは、自分自身の愚かさのせいで命を失う方を選びます。 インテリジェンスという幻想は今現在、完全に人間の掌中にあり、当面は人間のコントロールなしでは存在しえません。 当面私たちがAIに望めるのは、つい感心してしまうほどの賢さです。その他はブームに便乗した大騒ぎに過ぎないでしょう。 将来への準備 現在のような形のAIにはインテリジェンスがあるのでしょうか? そうではないと筆者は考えます。 インテリジェンスと呼ぶためには、何らかの形の創造性、革新性、直感力、自主的な課題解決力、感受性が必要です。私たちが今現在、ディープ・ラーニングにもとづいて構築しているシステムは、こうした特性を備えることができません。AIがいつインテリジェンスを獲得するのか、その時期をここで予測するつもりはありません。数十年前には「その段階に近づいており、数十年後には機械が人間のように行動したり思考したりするようになる」と考えられていましたが、そうはなっていません。今日のテクノロジーでは、依然としてこの問題を解決できないのです。 人類が「真のAI」の時代に到達するためには、破壊的なテクノロジー・シフトを経なければなりません。人類はその解決策をまだ発見していないと考えます。ただし、その探究を続けていることは確かです。

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