
毎年SAS Globalで開催されるSAS Customer Recognition Awardsは、
SASを活用し卓越した貢献をされたお客様を表彰する取り組みです。
SAS利用へ、企業を超え大きな影響を与える活動を称える
Community Uplift 部門において、
塩野義製薬様・武田薬品様の取組みが評価され、2位を受賞しました。
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製薬業界ではSASユーザーが中心となり、データサイエンスに関するコミュニティ構築・勉強会を積極的に開催しています。本記事では、長らくSASを利用頂き、コミュニティへの参加者側から運営側まで携わっておられるお二人へコミュニティ参加への重要性とメリットについてインタビューをいたしました。
2部構成でインタビュー内容をお届けします!前半では業界内でのコミュニティ形成や情報交換の重要性、後半では業界問わず、データサイエンスに関するコミュニティイベントの重要性についてお届けします。

(写真左から)
高浪洋平(Yohei Takanami):日本開発センター 生物統計室室長。医薬品開発における生物統計・統計プログラミング業務に従事。SASユーザー歴20年以上。
北西 由武(Yoshitake Kitanishi):DX推進本部 データサイエンス部部長。 データ活用戦略立案、AI技術等による社内外DX推進、データ活用人材の育成へ従事。SASユーザー歴 20年以上。
Q:まずお二人が業務でSASを使うにあたり、どのように技術習得をしてきたかを教えてください。
北西さん:学生時代にSASには少し触れたことがありましたが、本格的には入社後に業務で触れることでプログラミング技術を取得しました。SASは解析手法のプログラム実行で得られる出力結果とSAS公式マニュアルを照らし合わせながら、解釈することで、技術習熟度だけでなく、統計手法の知識も深めることが出来ました。
高浪さん:学生時代にSASを使用した経験はなく、入社後にSAS社のトレーニングや医薬品開発における統計解析・プログラミング業務の中で上司や経験者から知識を得ることでSASの技術を習得しました。
Q:主に業務活用においてSAS習熟を続けられたお二人ですが、SASに関する書籍を発刊されていますね。
(高浪さん・北西さん)
SASを利用し始めた当初は、当時はSASに関する書籍が少なく、独学による習得は難しかったことを覚えています。
高浪さん:これからSASを始める方向けに、基本的なデータハンドリング方法、医薬品開発で用いる様々な統計手法と実行方法といった、より実践を意識した実務者向けの書籍を発刊しました。我々が保有する知識やナレッジを元に執筆するプロセスでは、読者に分かりやすく解説することを心掛けましたが、習熟度やナレッジを整理し、棚卸ができる貴重な機会でもありました。
北西さん:社内中心の取り組みとして海外書籍の翻訳・発刊に携わりました。医薬品開発および治験に携わる関係者に必要とされる統計手法について、SASでの解析事例とともに解説した本ですが、翻訳作業やの補遺の執筆は、自分自身がその内容を深く理解しておかないと日本語化、執筆できないこともあり、ナレッジの深化へ大いに役立ちました。
Q:お二人がSASコミュニティへ参加され始めたのはどのようなきっかけでしょうか?
北西さん:当時の上司からの勧めで、関西SASユーザー会へ参加したのが最初です。業種や企業によって扱う解析手法やプログラミング手法も異なることがあるため、新しい学びとなり、会社へ持ち帰り業務へ活かしていました。
高浪さん:私も当時の上司からの勧めで関西SASユーザー会へ参加しました。業務へ直結する学びの習得はもちろんのこと、業界内の専門家とのネットワークを構築できたことが学び続けるための刺激となりましたし、その後、自らも業界活動に参加することで、企業自体のレピュテーション向上につながることも実感しました。
Q:お二人はイベント主宰として、横の繋がりを広げつつカンファレンスや勉強会を開催されていますね。
高浪さん:はい、既存のイベントへ参加しつつ、イベント主宰にも力を入れています。
例えば、2017年にはアメリカで年次開催されているPharmaSUG USへ参加し、参加ユーザーの熱意に感銘を受け、その場で事務局と日本開催を交渉し、業界の仲間と協力して2018年に初めてPharma SUG Single Day Eventの日本開催を実現しました。PharmaSUGはボランティアによる非営利団体であり、公共性も高いことから、製薬企業やCROの専門家に加えて、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)にもご登壇頂く等、おかげさまで毎年好評を頂いております。
このように、当初は、統計手法やプログラミング手法といったテーマが中心でしたが、現在は業界を取り巻く規制、技術の変化もテーマとして扱うことが多くなり、参加者・トピックの幅も広くなり、イベント自体成長を続けています。
Q: SAS Customer Recognition Awards の記事にて言及されていた、ナニワデータサイエンス研究会ですが、発足した目的や背景にある課題、これまでの取組みを教えてください。

(発足当初2016年に開催されたナニワデータサイエンス研究会の様子)
高浪さん:製薬業界において、コミュニティ活動は盛んでしたが、大きなイベントのほとんどが関東での実施でした。昔から薬の流通中心地でもある大阪・関西は、現在も医薬品開発の従事者が多く在住し、関西でも積極的に情報発信や交流の場を持ち、地域による情報の差をなくしたいという考えがありました。
北西さん:関西で開催されていた関西SASユーザー会も、東京開催されたSASユーザー総会のコンテンツを関西で実施することがメインだったように記憶しており、関西で何か新しい機会の創出や、知識を広げていく必要性を感じていました。そういった背景もあり、ナニワデータサイエンス研究会では、他イベントとの差別化を意識したコンセプトで企画をしました。
差別化ポイント👇
- 業界でのホットトピックからテーマをピックアップし、各演題を40分とすることでより深く、多くの情報を共有する形式とする。
- 関西に人を呼び込むため、、半日・無料開催。
- 発表資料も可能な範囲で無料公開する。
オフラインのみでのリアル開催にもかかわらず、第一回から200名以上の方にご参加頂き、用意した会場が満席になる程の大盛況で、医薬品開発従事者におけるデータサイエンスへの関心の高さや、イベントの必要性を強く実感しました。
Q:2018年の開催を機に、開催を休止し、2025年に再開されています。過去の開催時と比べ、何か変化はありましたか?

高浪さん:私が2018年より米国に海外赴任していたことでイベント開催を休止していましたが、2023年に帰国後、活動を休止していた数年の間に、生成AIの台頭などで技術トレンドが大きく変化したこと、「データサイエンス」という言葉が持つ意味もこの数年の間に大きく変わったと感じておりました。そこで、今一度、ナニワデータサイエンス研究会のコンテンツを最新トピックにUpdateする必要があると感じ、北西さんをはじめ、塩野義製薬の皆様も活動再開についてご賛同頂き、無事2025年1月に約6年ぶりにイベントを開催することができました。
医薬品業界においても日々発展を続けるOpen Source Software、SAS、生成AI関連のトピックについてそれぞれ両社のエキスパートの方々にご登壇頂きましたが、昨今、ハイブリッド開催のイベントも多い中、会場が大阪にも関わらず、120名の参加者にご来場いただき、大盛況でした。
Q:今後ナニワデータサイエンス研究会の継続にあたり、重要視していることを教えてください。
(高浪さん・北西さん)
技術の進化もあり、今後も医薬品業界のデータサイエンス領域はさらに発展していきます。我々も最新の知識・技術に関するリテラシーを高めて、データサイエンスの「今」を伝えることで、医薬品業界に、より大きな価値を提供することを重要にしています。
また、イベントへ登壇することは、登壇者自身のスキルや最新情報への感度向上も見込めます。データサイエンスだけではなく、ビジネスパーソンとしてのスキル向上といった意味合いでも多くの方へ登壇頂く機会の提供を重要視しています。
Blog前編では、データサイエンスに携わるSASユーザー同士の横の繋がりの重要性についてお送りしました。SAS Japanでは、業界問わずユーザー同士をつなげ、SASユーザー様のスキル・ビジネス価値向上につながる機会創出をユーザー様と取り組んでまいります。
後編記事はこちら👇
https://blogs.sas.com/content/sasjapan/2025/10/31/cusotmerrecognitionawards-communityuplift2024-part2/
Blog中に出てくるイベントや書籍情報はこちら:
- イベント情報
ナニワデータサイエンス研究会:https://www.facebook.com/naniwadatascience/
SASユーザー総会:https://sas-user2025.ywstat.jp/
Pharma SUG:https://pharmasug.org/
- 書籍情報
統計解析ソフト「SAS」 改訂版など多数出版(著者:高浪洋平、他)
治験の統計解析 理論とSAS®による実践(翻訳監修:北西由武、他)
https://www.kspub.co.jp/book/detail/1557772.html