Hack SAS!
SAS HackathonはSAS社が毎年春に開催する完全オンライン開催のハッカソン・イベントです。参加チームは開催期間の1か月間を使って、自分たちで設定した社会課題やビジネス課題を、SAS Viya(および任意のツール)を使って解決に導きます。エントリーできる部門が複数用意されており、参加チームによって選べるようになっています。2023年は部門が計10個あり、部門ごとの賞に加え、技術賞、特別賞、地域賞の3つの部門横断賞が用意されました。各賞ごとに個別の審査基準が設けられているため、技術レベルを高めるのも良し、ビジネスインパクトを狙いに行くのも良し、等々様々な戦い方があり得ます。なお審査は部門ごとにSAS社員から選ばれたインダストリ・エキスパートが実施するため、常に適正な評価が期待できます。
今年は世界各国から130チーム以上がエントリーしました。受賞チームは9月開催のSAS Exploreに招待されました。その他ハッカソンについての詳しい内容については、EnterpriseZine編集部による日本語のSAS Hackathonについての紹介記事もありますのでご興味があればご覧ください。
ところでSAS Hackathonは他のハッカソン・イベントと比べてどんなところがユニークなのでしょうか?よくあるハッカソン・イベントでは、特定のツールの使い方を試行錯誤を通して学ぶ、であったり、新しいサービスやアプリケーションの開発、などが目的になっていますが、SAS Hackathonでは以下3点を主な目的にしています:
- ビジネス課題の解決
- Data for Goodの観点から、データ分析の結果をより良い社会の実現のために使ってもらう(データ活用による人道支援や社会課題の解決)
- データリテラシーを備えた人材の育成・輩出・ネットワーキング
そしてこれらの目的の先にあるもの、つまりはアプリケーションの開発およびサービス化といった段階における商業化の支援もSAS Hackathonで行います。もちろん、知的財産は参加者が保有します。
様々なオモテナシ
以上の3つの目的を達成するために重要な要素の一つが、組織の垣根を越えたコラボレーションの実現です。その実現を手助けするため、全世界のSAS社員が様々な工夫をして参加者をもてなします。オモテナシ駆動型ハッカソン・イベント、それがSAS Hackathon、と言っても過言ではありません。ではどのようにしてSAS社員はSAS Hackathonの参加者をもてなすのでしょうか?
メンターによるオモテナシ
イベントにエントリーしたチームにはそれぞれメンターが付きます。メンターはSAS製品やデータ分析に詳しいSAS社員から選ばれ、チームが成功裏にハッカソンを終えられるようサポートします。分からないことがあったら何でもメンターに質問できます。
学習コンテンツによるオモテナシ
普段は有償で提供されているSASのラーニング・コースやオンデマンド学習コンテンツが、ハッカソン期間中は参加者に無償で提供されるため、技術的なキャッチアップやデータリテラシーの習得がやり易くなっています。
分析環境によるオモテナシ
分析環境も無償で提供されます。既に構築済みですぐに使えるSAS Viya環境を使って直ちに分析を開始できます。そこにはJupyter Hubも入っていてPythonやRが使えます。環境構築の手間が要りません。その他、アプリケーション開発を簡便に行うためのツールなども提供されます。詳細はこちらのページをご覧ください。それ以外のツールを使いたい場合は、参加チーム自身で準備することになりますが、基本的にどんなツールを使ってもOKです。
フォーラムによるオモテナシ
また、参加チームはSAS Hacker's Hubで他の参加チームと交流したりディスカッションすることができます。参加者同士のネットワーキングの場にもなっています。
自由闊達なムード醸成によるオモテナシ
SASと聞くと少々お堅いイメージを持たれる方も多いかも知れません。しかし近頃のSAS社員はオレンジ色のSAS Hackathonフーディーを着て、課題解決のためのコラボレーションの重要性を表現したラップを歌います。
It's more than a competition
It's your story told, the goals that we envision
All over the globe, we solve problems with code
So we leave this world better than how it was before
Like, what's your use case? Find a new way
Teamwork, you listen to what your crew say
Data in the cloud, doesn't matter my coordinates
Another SAS Hackathon, find me in some orange drip
We hack back to back again, live from SAS
That's North Cack-a-lack I'm in, that's a- that's a 10
When they ask about us, SAS is a name we actually can trust
One decision tree in a random forest
The prediction is that we're always scoring
Win with your team, what are you waiting for?
Because the time is now and the stage is yours
このラップの歌詞はSAS Hackathonの特徴を的確に表現しています。
以上のオモテナシの他にもお楽しみ要素が多数満載しているのがSAS Hackathonです。解決したい課題とデータ、そしてハッカソンに充てられる時間だけ各自でご準備ください。
日本からも参加
日本からはCTC、ZEAL、Sunny Compassの3チームがエントリーしました。それぞれのチームがこのイベントをどう評価しているかご紹介します。
チーム CTC
環境は自分で準備する必要があるハッカソンも多いなかで、構築済のSAS Viya環境を使っていきなりHackできるのは非常に魅力的です。ユースケースとデータさえあれば、自由度の高い取組ができるので初心者も挑戦しやすいです。加えて、ホストがSAS Hacker's Hubを運営してくれているので他チームのアイディアや取組状況をグローバルに閲覧できますし、英語のものが大半ですが教育コンテンツも大量に解放されます。こういった取組により、インスピレーションが得やすい環境を整えてくれていると感じました。
チーム ZEAL
どこか1か所でもSAS Viyaを使った部分がありさえすれば基本的に使用できるツールに制限がない点と、成果物がプレゼンではなく動画提出になっている点がユニークだと思いました。今回は余裕が無くできませんでしたが、SAS Hacker's Hubで別チームと直接コミュニケーションを取ることも可能なので次回はそういったことにも挑戦してみたいです。
チーム Sunny Compass
メンバー一人一人がハッカソンに参加するのは初めてだったので、右も左も分からず「ハッカソンって何をしたらいいの?」という状態でしたが、メンターの人が付いてくれて質問などに対応してくれたので何とかなりました。
申し遅れましたが、私はSAS Institute Japanの堀内と申します。今回メンターとしてこの3チームのサポートに当たらせていただきました。この3チームがそれぞれ具体的にどのような取り組みをしたのか、ハッカソン終了後に各チームに取材をし、記事にまとめましたので紹介させてください。
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