一、背景の紹介 過去のSAS Viya機能紹介のブログで、クラウドネイティブアーキテクチャを採用したSAS Viyaのユーザーのワークロードのリソース管理の仕組みと方法を紹介しました。これらの機能のほとんどはKubernetesの特徴や機能によって実現されていますが、実は、SAS Viyaにはワークロードの管理を強化する特別な機能が搭載されています。この機能のおかげで、ユーザーは従来に比べてさらに高度で柔軟な負荷管理が可能となり、これによりクラウドのコストを節約し、業務プロセスをより効率的に運用することができます。この記事では、まずこの新しい機能の主な特徴や基本的な動き方を紹介します。 二、機能の特長と価値 ビジネス上の分析業務は、その実行部門や目的、優先順位、データの規模、そして使用される分析手法によって異なる性質を持っています。多様な分析タスクを一つの環境で実行する際、さまざまな問題が生じることが知られています。例えば、低優先度のタスクが計算リソースを占めてしまうこと、あるいはシステム全体に影響するようなエラー、そして計算リソースの不足や無駄などです。 このような問題に答えを提供するのがSAS Viyaの「SAS Workload Orchestrator」という機能です。ここでは、その機能の特長と価値について解説します。 1. コストとアジリティのバランスを最適化 ・キューの優先順位付け: さまざまなワークロードの優先度を定義し、重要なタスクが最初に実行されることを保証します。 ・負荷分散: リソースの使用を最適化し、タスクの適切な分散を実現。 ・Kubernetesでの実行: 現代のクラウド環境に最適化された実行環境。 ・ユーザーの中断を最小限に: 重要な作業の妨げとなる中断を避けます。 2. スループット、可用性、生産性の向上 ・最適な実行順序: 作業の効率とスピードを最大化。 ・並列処理: 複数のタスクを同時に高速で処理。 ・ワークロードの事前中断と自動再開: エラーが生じた場合でも自動でジョブを再開し、データサイエンティストの作業が中断されることなく最良のモデルの構築を続けられる。 3. 管理の簡素化 ・SASのワークロードの集中管理: ポリシーやプログラム、キュー、優先度を一元管理。 ・リアルタイムモニタリング: ジョブの進行状況やリソースの使用状況をリアルタイムで確認。 ・オンプレミスまたはクラウドでの実行: 用途や環境に合わせて選択可能。 結論として、SAS Workload Orchestratorは、高度なビジネスの要件に応じて分析タスクの実行を効率的に行うための強力なツールです。そのグラフィカルなインターフェースを通じて、リソースの一元的な管理が可能となり、ビジネスの生産性と価値を最大限に引き出すことができます。 三、「SAS Workload Orchestrator」の画面と用語定義 それでは、「SAS Workload Orchestrator」の魅力的な機能とその価値を理解したところで、具体的に「SAS Workload Orchestrator」の操作画面や用語について詳しく解説していきましょう。ぜひ参考にしてください。 1.用語定義 SAS
Tag: ワークロード管理
~複雑なタスク制御、シンプルな管理~SAS Workload Orchestratorの機能紹介(一)