Tag: R言語

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R言語でSAS ViyaのAI機能活用 第二回「アクションセットと最初のデータ読み込み」

概要 第一回の「CASサーバーとSWATパッケージ」に続き、第二回としてCASのアクションセットの活用やCASサーバーへのデータ読み込みなどの基本操作の方法について紹介します。 アクションセットについて CASサーバー上での分析作業を開始する前に、“アクションセット”という重要な概念に関して紹介します。 アクションセットは、関連する機能を実行するアクションの論理的なグループです。 SAS Viyaでは、関数のことを「アクション」、関連する関数のグループを「アクションセット」と呼んでいます。アクションでは、サーバーのセットアップに関する情報を返したり、データをロードしたり、高度な分析を実行するなど、さまざまな処理を実行できます。 アクションセットを使ってみましょう それでは、サンプルコードを使いながら、SAS Viyaのアクションセットでデータの読み込みからプロットまでの一連の操作を説明します。 ・データの読み込み CASサーバーにデータを読み込むには二つの方法があります。一つはread.csv()でcsvファイルをRデータフレームの形で読み込んだ上で、as.casTable()を使用する方法です。この関数はデータをRのデータフレームからCASテーブルにアップロードすることができます。今回の例では金融関連のサンプルデータhmeqを使って紹介します。 library("swat") conn <- CAS(server, port, username, password, protocol = "http")   hmeq_data <- read.csv(“hmeq.csv”) hmeq_cas <- as.casTable(conn, hmeq) もう一つはcas.read.csv()を使って、ローカルからファイルを読み込んで、そのままCASサーバーにアップロードする方法です。仕組みとしては、一つ目の方法と大きくは変わりません。 hmeq_cas <- cas.read.csv(conn, hmeq) as.casTable()或いはcas.read.csv()からの出力はCASTableオブジェクトです。その中に、接続情報、作成されたテーブルの名前、テーブルが作成されたcaslib(CASライブラリ)、およびその他の情報が含まれます。 Rのattributes()関数を使えば中身を確認できます。 attributes(hmeq_cas) $conn CAS(hostname=server, port=8777, username=user, session=ca2ed63c-0945-204b-b4f3-8f6e82b133c0, protocol=http) $tname [1] "IRIS" $caslib [1] "CASUSER(user)"

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R言語でSAS ViyaのAI機能活用 第一回「CASサーバーとSWATパッケージ」

本シリーズの記事について オープンソースとの統合性はSAS Viyaの一つの重要な製品理念です。SAS言語やGUIだけではなく、R言語やPythonなどのオープンソース言語でも、SAS ViyaのAI&アナリティクス機能を活用することが可能になっています。このシリーズの記事は、R言語からSAS Viyaの機能を活用して、データ準備からモデルの実装までの一連のアナリティクス・ライフサイクル開発をサンプルコードの形で紹介していきます。 CASサーバーとSWATパッケージとは コードの内容を紹介する前に、まずCASサーバーとSWATパッケージに関して、簡単に紹介します。CASはSAS Cloud Analytic Serviceの略称です。SAS Viyaプラットフォームの分析エンジンで、様々な種類のデータソースからデータを読み込み、メモリーにロードし、マルチスレッドかつ分散並列でハイパフォーマンスな分析処理を実行します。現在のCASサーバーは3.4.0以降のバージョンのPythonと3.1.0以降のバージョンのRをサポートしています。 オープンソース言語のクライアントからCASサーバーのインタフェースを使用するために、SASからSWAT(SAS Scripting Wrapper for Analytics Transfer)というパッケージをGithubに公開し、提供しています。RとPythonにそれぞれ対応しているバージョンはありますが、本記事のサンプルコードではR用の SWATをメインで使用します。SWATパッケージを通してCASサーバーと通信し、インタフェースを直接利用することができます。データサイエンティストはSWATパッケージを使用し、RやPythonからSAS Viyaの豊富なAI&アナリティクス機能を活用し、様々なデータ分析処理を行ったり、機械学習や深層学習のモデルを作成したりすることができます。 環境の準備 R言語用SWATパッケージを利用するために必要なRの環境情報は以下の通りです。 ・64-bit版のLinux或いは64-bit版のWindows ・バージョン3.1.0以降の64-bit版のR ・Rパッケージ「dplyr」、「httr」と「jsonlite」がインストールされていること 筆者が使用している環境は64-bit版のWindows 10と64-bit版のR 3.5.3となり、IDEはRstudioです。 パッケージのインストール SWATをインストールするために、標準的なRインストール用関数install.package()を使用します。SWATはGithub上のリリースリストからダウンロードできます。 ダウンロードした後、下記のようなコマンドでSWATをインストールします。 R CMD INSTALL R-swat-X.X.X-platform.tar.gz X.X.Xはバージョン番号であり、platformは使用するプラットフォームと指しています。 或いはRの中から下記のコマンドのようにURLで直接インストールするのもできます。 install.packages('https://github.com/sassoftware/R-swat/releases/download/vX.X.X/R-swat-X.X.X-platform.tar.gz', repos=NULL, type='file') この部分の詳細はR-swatのGitHubのリンクを参考にしてください。 SAS Viyaと一回目の通信をやってみよう 全ての準備作業が完了したら、問題がないことを確認するために、Rから下記のコードを実行してみます。 library("swat") conn <- CAS(server, port, username, password,